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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第三章 battle study・紅
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流すべきではない血

 厨房にて一人片付けをしていた喜一は、何やら剣呑な空気を感じ取り表に向かい、聞き耳を立てていた。

 それで、会話の内容は理解していた。

 狙われているのが自分であるという事。

 弓徒と虎子には何か因縁があるという事。

 これから闘いが始まろうとしているという事。

 

 選択肢はいくつかあった。

 最も勝率が高いのは、三対一での戦闘であった。

 敵がどれ程の手練かは知らないが、自分と唐馬、そして弓徒がいるこの状況であれば、遅れをとる事はない。

 

 しかし、それでは多かれ少なかれ血が流れる。

 相手の血だけでなく、自身の血も。

 そして、友と師の血も。

 それは避けなければならなかった。

 そのような事が起こってはいけない。

 孤児だった自分を拾い、育ててくれた唐馬。

 この街での皿洗いを通して親交を深めた弓斗。

 二人はいざ闘いとなれば我先にと飛び出すだろう。

 息子同然に想う者の為。

 友の為。(あるいは因縁ある敵を倒す為)

 闘う理由があるからこそ、闘いは起きてしまう。

 だが、それは起こしてはならない事だ。

 このbarの前で血が流れてはいけない。

 故に喜一は、奇襲を仕掛けず、正面から決闘を申し出たのであった。


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