レッドアラート
「しっかりしろ! 大丈夫か!?」
「う……」
反応があった。
生きている。
少しの安堵。
しかし、事態は楽観視出来るものではない。
故に彼は、手持ちのタオルで血を抑えつつ、簡潔に問いかけた。
「あんた、見たことあるぜ。羅人さんだ。そうだろう? 協会の十二支の兎の」
羅人は頷いた。肯定だ。
「だとすると、さっきのやつは……やはり……」
「紅虎だ」
「紅虎! 紅虎子か!」
呻くように、弓徒はその者の名を口にした。
視線を、今その者が出ていった方に向けた。
まだ追いつけるか?
問いの答えは、
「君は、弓徒くんだろう? 資料で見た……喜一くんの友人の皿洗い師なら……俺はいいから、行ってくれ。やつの狙いは喜一くんだ……」
「何!?」
「紅虎め、律儀なやつだ……救急車を呼んだらしい……音がする……だから、俺は大丈夫だ……」
「ですが……」
「行ってくれ」
「すみません。わかりました」
答えは出た。
弓徒は走った。全力で。
そして彼は、
「どもー。唐馬さん。こんばんはー」
「虎子君……君が来るとは……」
二人がバーの前で対峙している場面に。
波乱の幕が上がる手前に、立ち会うことになったのだった。




