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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第二章 battle study・序章
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接敵

 羅人は、夜の街を歩いている。

 時刻は、深夜二時を少し回ったところ。

 これから二次会へと行くような足取りではない。

 ゆるりとした歩みだった。

 誰かに合わせているかのような……いや、ような。ではない。彼は合わせていた。


「出てこいよ」


 人気のいない路地に半ばまで入ったところで、彼は背後に声を投げつつ振り向いた。

 彼の視線の先には、一人の女がいた。


「なんだ。気付いてたのね」


 あっさりとした口調だった。

 一方で格好は荒々しかった。

 ボロボロのダメージジーンス。ボロボロのタンクトップ。覗く素肌は、日に焼けて浅黒い。

 髪は短く、赤い。


「逆に聞きたいんだけどさ、そんなに殺気出してて、気付かれないとでも思ってた?」


「え? 出ちゃってた?」


「自覚ないんだ」


「うん」


 やれやれ、と言わんばかりに、羅人は頭を擦った。

 それから、女に尋ねた。


「で? 何が目的なわけ?」


「お仕置きってやつかな」


「お仕置き? 俺の? 何で?」


「協会の元トップだった人のとこに行って、何かよからぬことを企てたんでしょ?」


「いや、俺はただ酒を飲みに……」


「言い訳はやめてよね」


 女が両手を開いて、ゆるりと、前に出た。


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