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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第二章 battle study・序章
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気付き

「後は私がやっておくから、今日はもうあがりなさい」


「はい」


 喜一は片付ける手を止めて頷いた。

 手を洗い、拭いて、エプロンを取った。

 そこに、唐馬は声を掛けた。


「……どう思った? 今日の皿洗い師を」


「かなりの使い手でした。それに……」


「何か気になるところが?」


「どことなく、唐馬さんに似ていると思いました」


「私に?」


「お客様を気に掛けていた様子が、特に」


「……そうか。しかし、それは君も同じだろう?」


「俺は、あの人を見てそうしただけです。一人だったら、いつも通り皿を洗うだけでした。羅人さんの皿を洗う姿を見て、お客様への気持ちの込め方に気付きました」


 淡々とした口調だった。だが、そこには確かに尊敬の念があった。


「そうか。それは良い事を学んだね、喜一」


「はい」


 真っ直ぐな返事だった。

 皿を洗う事への飽くなき探究心で磨き上げられた、曇りのない黒い瞳が、唐馬に向けられていた。


「お先に失礼します」


 だから、


「喜一」


「何ですか?」


「……いや、何でもない。お疲れ様」


「お疲れ様でした」


 唐馬は言えなかった。

 これから始まるであろう、大きな戦いについて……。


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