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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第二章 battle study・序章
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リアクション・ノーリアクション

 ここは所謂オーセンティックなバーではない。

 静かに酒を飲む者が多い時は静かであり、少なければ騒がしい。

 隣の客と意気投合して会話が盛り上がることもままある。

 実際、今日もカウンターには見知った顔が多い。

 それで、斗真はどうでもいい話の種にでもなればと、わざわざ大きなリアクションを取ったわけだが、


「んー?」


 何も起こっていない。

 あれだけ大きなリアクションをしたというのに、誰もがノーリアクション。

 気付いていない?

 いや、気付かれていない?

 一体どういう事なのか?

 まだアルコールの回りきっていない斗真の思考回路は、即座に答えをはじき出した。


「そこの皿洗いしてるおっさん」


「俺?」


「あんた、何かしてるやろ」


「よくわかったね」


 あっさりと、羅人は肯定した。


「こんなところで何かこんな不思議なこと出来るのは、皿洗い師ぐらいやもん」


「鋭いね」


「でも、何をしたかはわからん」


「そうなんだ」


「教えてくれん? 気になるけん」


「企業秘密……と言いたいところだけど、気になるなら後で喜一君に聞いてみるといい。彼はわかっていると思うからさ」


「ちぇっ」


 軽口だが、秘密をしゃべるタイプではない。

 斗真はそれを見切り、話しはそこで終わった。


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