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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第二章 battle study・序章
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駆け付け一杯

 程なくして差し出された二杯のカクテル。

 すり潰したミントに小粒のアイスとこれもまた小粒の季節果物。そこにラムを注いだもの。

 モヒートである。

 斗真は、ここに来たら絶対に一杯目はこれを飲むと決めている。

 普段なら喜一からの「……」という「またそれか」とでも言いたそうな呆れた視線を浴びせられるのだが、今日の皿洗い師は知らないおじさんなので、気にする事なく駆けつけ一杯。


「かぁ〜〜〜!!! 爽やかな中にパンチがあって、でもやっぱりスッキリしてて、食った飯を流してくれるというか、新しい余韻に浸れるっていうか、何にしてもきくわ〜これ〜」


「わっ! 美味しい! で、ですけど先輩! そんな大きな声を出すのは、ちょっとやめた方が……」


「あ〜かまへんかまへん」


 上がったテンションに身を任せた、とても年頃の女子とは思えないおっさんじみたリアクション。

 しかしここから周囲に「あんまりにも酒が美味すぎてテンション上がっちゃいました。すんません!」などと言って客の同意を得るとこまでが一連の流れである。

 故に、隣にそう言おうとして、


「あれ?」


 そこで、斗真は気付いた。

 周囲の視線が、騒ぎ倒した自分に注がれていないという事に。


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