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サドンデス
サドンデス、ブラインド、アート、ダーティー……等々、決闘の種類は多種多様。
しかし、大体はサドンデスが選択される。
サドンデス。
英語では、突然の死。
敗者が突然決まることから、このような名で呼ばれている。
様々な場面で用いられるこの単語は、皿洗いに於いても同じように用いられる。
ルールは単純にして明快。
時間無制限。
一対一で、皿を洗う。
それだけである。
協会が用意した施設の、そこに造られた、家庭用のそれよりも広い決闘用シンクに、次から次へと送られてくる皿を、ひたすら洗い続ける。
審判は、いない。
皿洗いという、食器類を美しく洗い上げる者の精神は、美しいものでなければならない。
故に、協会の皿洗い師は、嘘を吐かない。
皿を洗えば、わかる。
どちらがより強い皿洗い師なのか。
無論、野良の皿洗い師の中には、そのような高潔な精神を持たぬ者も多い。
が、そういう手合いにこそ、サドンデスは有効である。
なぜなら、負けを認めるまで、皿を洗わされ続けるからだ。
折れない心。それは時として、重要だろう。
しかし、実力差が如実に現れるこの決闘では、弱い者は苦しみ続ける事になるのだ。




