決闘
実力は理解した。
で、あれば、後は——
「千歳喜一、でしたね」
「ああ」
「改めて名乗りましょう。私の名前は朝生陽。協会員として、あなたに決闘を申し込みます」
叩き潰すだけ。である。
「決闘?」
「はい。私とあなたの、一対一の決闘です」
「……」
「無論、拒否権は有りません。勝負は明後日。場所はこの街にあるWDAの施設にて。方式はサドンデス。体を休め、万全の状態で臨みなさい」
「……わかった」
一切の反論をせず、喜一は頷いた。
心の揺れは、見られない。
諦めているのか、それとも、腕に自信があるのか。
「……では、明後日」
恐らくは後者だろうと思いつつ、陽は感情を表に出さぬ喜一を一瞥し、続けて弓徒を睨み付けた。
そこを退け。という意味だ。
「……どーぞ」
陽に敵意が無い事を察し、弓徒は横に動いた。
「そういう事ですので、お嬢様、申し訳ありませんが、お先に失礼します」
一礼し、悠然とした歩調で歩き去った、陽。
「お、お疲れ〜……」
その背中に、斗真は気の抜けた声を投げて。
そして、彼女が見えなくなったところで、
「なんだか……大変な事になったみたいやね……」
と、他人事のように溜め息を吐いたのだった。




