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見極め
「……」
「……」
無言、だった。
黙って、弓徒と陽は、視線を交えている。
が、空気は……否、闘気とでも呼べる、二人の体から発せられている、暴力的な圧力は、激しく動いていた。
「……」
「……」
両者の間には、圧倒的な体格差がある。
仮に彼らが一般人だとしたら、勝敗は明白である。
小さな者は、大きな者には、勝てない。
その自然の摂理を打ち破る事は困難に思える。
だが、二人は皿洗い師である。
皿洗い師を一般論で定義する事など、不可能だ。
体格など、関係無い。
そんなものは超越する程に、己の肉体を鍛え、技術を磨き抜いている。
——しかし
「……わかりました」
数秒、間を置いた後に、陽は敵意を収めた。
協会員同士の戦闘は無益だから、と思ったのもあるが、実際のところ、今の攻撃は、喜一の力量を見定める為のものだった。
弱者ならば、今の攻撃を躱せずに粛清される。
逆に強者ならば、何かしらのアクションを見せる。
そのアクションを見極める事こそが、彼女の真の目的だった。
故に、躱された。という結果により、陽は喜一の実力を理解した。
それで、わかった、と言ったのである。




