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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第一章 everyday
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協会の者

「む……」


「……」


突然現れた、ウェイター風の女に、弓徒と喜一は同時に目を細めた。


皿洗いというのは、洗う前から始まっている。

この言葉が示すように、皿洗い師は皆鋭い観察眼を備えている。

彼らのそれが捉えたのは、女の手の湿りだった。


化粧室で少し手を洗った、という程度のものではない。

それよりも、もっと水分を含んだ手。

何時間も水に触れていた手。


爪は短く、丁寧に切り揃えられており、年頃の女性だというのに、何の装飾も施されていない。


後ろで一つ結びにされた長い髪。

飾り気は無いが、整えられた格好。

そこに、これといって特筆すべき点は無いが、強いて言えば、ワイシャツの袖が僅かによれている。


たったこれだけの情報量だが、それだけで、女が何者か推察出来た。


そしてその推察は、女の目を見て確信へと変わった。


何の感情も感じさせない、深い黒の瞳……この瞳を、弓徒は知っている。

この場の誰よりも、彼は、よく知っている。


これは……。


この眼は……。


「お前、まさか……」


協会の人間の眼、だという事を。


「はい」


弓徒が言葉を発し終える前に、女は静かに、肯定した。


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