違い
「やはり、君は協会の人間ではなかったのか……喜一君、と言ったね?」
「はい」
「君自身、気付いているとは思うが、君の皿洗いは……何かが違う」
「……」
「協会の、完璧以上を追求するそれとは違う。かと言って、野良の皿洗い師のような、荒削りなものでもない」
「……」
「新生、とでも言えばいいのだろうか? ただ洗い、清めるだけではなく、新しくしている。生まれ変わらせている。……君の皿洗いは、普通の皿洗い師とは異なる次元を目指しているように、私は感じた」
「……」
「無論、君だけでなく、弓徒君からも、協会の人間からは感じた事の無い、人を思いやり、活気づける、暖かなオーラを感じたよ。皿洗い師を一家に一人。というのが協会の目標のようだが、君のような人物なら、是非とも置いておきたいね」
「どもっす」
喜一は無言のまま。
一方で弓徒は、照れたように頭を掻いた。
その様子を見て、総料理長は微笑み、最後に、こう言った。
「何にしても、君達とは、またこうして仕事がしたいものだ」
「そこに皿があるのならば、行きます」
「嬉しい言葉っすね! いつでもどうぞ!」
その言葉に、二人は力強く答えた。




