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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第一章 everyday
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つかぬこと

「そう言えば……少し聞きたい事があるのだが、良いかな?」


「なんすか?」


「君達は、協会の人間なのか?」


「あー……」


やはり、と弓徒は思った。

こんな質問をされるのも、無理は無い。

料理の世界で生きていれば、多かれ少なかれ、皿洗い師との出会いはある。

けれども、彼が見てきた皿洗い師と自分達は、明らかに違う。


「……」


総料理長の問いに、弓徒は横目で喜一を見た。

喜一は黙ったまま、その視線に対して、頷いた。


隠す必要は無い。


喜一の目は、そう言っていた。


「……俺はそうですけど、こいつは違います」


「なにっ!? 協会じゃないだって!?」


弓徒が指差した方を向いて、総料理長は驚きの声を上げずにはいられなかった。

この世に存在する皿洗い師の、実に九割が協会に所属しているのが、昨今の世の中なのだ。


一般的に、野良やフリーと呼ばれる残りの一割の中に、これ程の実力者がいたとは……。


「俄かには信じ難いが……いや、しかし……あの洗い方は、むしろ、頷けるというものか」


総料理長の戸惑いと、納得の声が、静まり返った厨房に響いた。


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