続く決闘
誰よりも滅びを求めた者が、自らの手で滅びの先を生み出す要因を作った……。
「蛇はここまで読んでいたのか?」
全ては計算づくなのか。
在膳の問いに、喜一は答えた。
「いや、ただこう言っていた。『蛇とはいずれ龍となる宿命を持つ者。故に自分では滅びを招きかねない』と」
「それで、貴様に託したのか」
「そういう事らしい」
「……ふん」
確証の無い賭け……そういう博打を蛇は好んでいる節もある。しかし同時に、確証は無いが確信はあったと考える事も出来る。
けれど、もはやそのような事を考えても仕方がない。
「もはや、滅びは訪れない」
「ああ」
「だが、私は決闘で負けを認めるつもりはない。この終わり無き勝負を引き分けで終わらせるつもりも無い」
「そうか」
「皿洗いを続けるぞ」
「望むところだ」
決闘は、どちらかの心が折れるまで続く。
心が折れなければ、終わりは無い。
この一戦にて決するはずだった世界の行末は、もはや誰にもわからない。
世界は明日を手に入れた。
故にここからは、ただの意地の張り合いでしかない。
どちらが上か。
ただそれを決める為だけに、二人は皿を洗うのである。




