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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第五章 The New world
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だからこそ、願う

 皿を洗う為には、まず皿を汚さなければならない。


 しかし、汚れた先から皿は美しく清められる。


 これでは、皿は洗えない。


 汚れていない皿を拭く事で皿を洗ったつもりになり、神に近づけると謳う宗派も誕生したが、そんなものでは皿を洗った事にはならない。


 真に皿を洗う為にはどうすればいいのか?


 諦めを知らない者達は考えた。


 考えて、考えて、考えた結果……それは願いとなった。


「皿を洗いたい」


 本来ならば不必要な行為。

 一生に於いての余計な手間が掛かる作業を省いてくれている——なのに、洗いたい。


 主婦などは、食事をした後に楽が出来て良いと思っている——否、もはや皿が洗われるのは常なる事なので、改めて有り難いと思う事などない。


 呼吸に必要な空気に感謝する者がいるだろうか?

 いるとしても、そこまで多くはない。


 皿を洗いたいとは、つまりそういう事である。


 であるが、しかし、だからこそ——願う者がいて、その願いが、意志が、力となり、遂に願う者の一人がその手に汚れたる皿を持ち、付着している汚れを、素手で拭った。


 その時の心の震えは、確かに、宇宙にこだました。

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