表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第五章 The New world
169/184

どこかの村の祈り

 幸多き村で暮らす兄妹がいた。


 どこかの国で起こっている飢饉などを知らぬ者達。


 兄は野に出て獣を捕り、捌き、焼いて食った。

 そこに皿はある。

 骨の受け皿として妹が用意した皿である。


 獣から滴る油で汚れたそれは、しかし瞬く間に元の白き輝きを取り戻した。


 その光景を見終えた後に、兄弟は白くなった皿に向かって手を合わせた。


 そういう作法を誰かに教わったわけではない。

 自然と、そうしていた。

 二人はそれに対して不思議とは思わなかった。

 ただそうするべきであると思ったからそうしただけであった。

 

 そうしながら、二人は思った。


「感謝します」


「常に皿を美しく磨いて頂いて、感謝します」


 と。


 二人は神という概念を知らない。そのような文化など、この村には発生していなかった。

 しかし、これが自然の現象ではなく何者かの手によって起こっているという事は認識していた。


 その何者かとは何なのか……。

 それを考えるのはこの兄弟ではなく霊媒師などのコミュニティで上位に属する者である。


 故に、二人はただ祈りを捧げた。


 皿を洗ってくれる、誰かに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ