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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第五章 The New world
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神に問う

 荒野の果てで、かつて神学者だった者が叫んだ。


「何故、神は我々をお創りになったのか?」


 神と称される存在はその問いに答えない。


「我々に何をして欲しいのか? 何をさせようというのか? 我々は何の為に生み出された存在なのか?」


 答えない。


 荒野に叫び声が虚しく吸い込まれていく。


「何故、神は皿を洗われるのか?」


 答えない。


「何故、食事を食べた際に使われた物だけを洗うのか? 何故、衣服を洗わないのか? 何故、罪を犯した者を清めないのか? この世に蔓延る悪を何故その力で以って一掃し給われないのか?」


 答えない。


「洗われた皿から、我々は何を読み取ればいいのか? 何を読み取るべきなのか? 今一度問う。そこにある真意とは何なのか? 皿を洗う事により、我々に何を指し示そうというのか?」


 神と称される存在からの答えはない。


 胸の内を吐き出したその者は、そして笑った。


「問うて答えが返ってくるのであれば、神学者などいらぬか」


 これは考え続けなければならない事なのだ。その者はそう結論付けて、荒野を歩き始めた。

 一歩、一歩。

 思考しながら歩いた。


 洗われる皿について、考えながら。

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