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世界の行く末
遥か長い時が流れたとも言えるし、流れていないとも言える。
時間とは一定に流れているように見えて、その実現在が連続しているだけであり、未来も過去も無いとも言えるし、また有るとも言える。
結局のところ時間の概念とは人が暮らしやすさの為に規定したものでしかなく、それを超越しているものにとっては、やはりそれは無いとも言えるし有るとも言えるものでしかない。
未来も過去もそれを認識した瞬間に存在を確立する。
認識しなければ、ここには現在しかない。
故に二人は永遠に続く現在の中で皿を洗っている。
一方で彼ら以外の全ての皿を使っている者は通常の流れゆく時間を意識せずに生きており、日々のサイクルに何ら変化はない。
使った皿が洗われて現れる。それを使う。皿が洗われて現れる……。
繰り返される現象を日常として人々が受け入れた事で、人類の意志が収束し、世界は無に——帰さなかった。
世界は続いている。
つまり、決闘は続いている。
果たしてそれを認識出来ている者が世界にどれだけいるのか……。
超越者達は、静かに見守っている。
世界の行く末を。




