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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第四章 The end of the world end
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皿洗いを止めない

 在膳は、喜一の後を追うという事実に対して、特別な感情を抱いていない。


 目が覚めるような屈辱。

 ありえない事象。

 馬鹿な。

 まさか私よりも実力が上だとでもいうのか。

 こんなはずが……。


 この状況に対して、思い浮かぶであろう言葉は多々ある。

 実際、在膳は驚愕した。

 しかし、そこで終わりであった。


 ならば自分もそのステージへと行く。


 そう思った。


 後塵を拝する事に対して何か思うのは、無意味な事であると彼は知っている。


 それがそうであるのならば、そうするだけである。


 思考に乱れはない。

 

 全ての人々が望む無を齎す事。

 それが自身の役目……。


 在膳はそう信じている。


 そして、生活に皿を用いるような知的生命体が存在するのであれば、それは地球人類と同じく無を求めるはずであると感じている。

 それは事実その通りであった。


 生命体と言葉を交わしたわけではない。

 だが在膳にはわかる。

 汚れた皿。

 そこに付着している残留思念。

 触れた指、スポンジから流れてくる想い……。

 成長する文明が向かう先の光景……。


 故に在膳は皿洗いを止めない。

 

 一方で、喜一もまた、皿洗いを止めない。

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