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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第四章 The end of the world end
159/184

宇宙

 全ての皿を洗ったはずだった。

 地球上にある、全ての。

 それで終わりとなるはずだった。

 事実、かつては己の師であった唐馬歩すらも、それで負けを認めた。

 だというのに——。


 喜一は、まだ皿を洗っている。

 

 在膳にはこの状況は理解が出来なかった。

 ありえない事象であった。

 故に、問わずにはいられなかった。


「貴様——どこから皿を!?」


「宇宙」


 短く、喜一は答えた。


 宇宙……。

 即ち、暗き世界の果てである。

 ありえない——とは言わない。

 この広い宇宙の中で、知的生物が存在する可能性はある。

 しかしそれを喜一が知覚しているのだとしたら、一体どれ程の世界を観ている事になるのか?

 皿を持ってくるというと簡単に聞こえるが、皿の存在を知覚しておかなければならない。

 在膳は、これまで宇宙に目を向けた事など無かった。

 宇宙の果てに生命が存在する可能性を理解しておきながらも、地球人類が最も進んだ種族だとばかり思っていた。

 ……だが、それを傲慢だと責める事は出来まい。

 何故なら在膳の境地に辿り着いた者など、彼以外には存在しなかったのだから。

 自らが地球人類で最も進んだ存在であり、この宇宙に於ける全能の存在であると思っていたのだ——今までは。

 


 

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