表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第四章 The end of the world end
151/184

過去は何の意味も持たない

 脅威の芽は速やかに摘んできた。

 敵対組織は嬉々として潰した。

 野良の相手にも容赦はしなかった。

 そうして勝ち続けた結果、協会は大きくなった。


 群雄割拠した皿洗いの場という密林の中で、協会は覇者である虎となった。

 虎を襲う生き物はいない。

 故に強者は栄えた。


 しかし、敵がいなくなったわけではない。

 虎を襲う生き物は、虎より強い生き物しかいない。となると、敵となるのは同じに群れに生きる若い虎である。

 老いた虎は息絶えるか、戦いの果てに群れを追われるか、自ら潔く一線を引くか……。


 唐馬は自らの意志で一線から退いた。

 老兵はただ去りゆくのみ……そう考えたのは、単に歳を取ったからなのか、戦えば負けると悟ったからか……。

 

 どちらにせよ、もはや過去は何の意味も持たない。

 あの時戦っていれば……あるいは勝つ目があったのではないか……という後悔すらも、現在では無意味な過程でしかない。


「私の負けだ」


 スポンジが力なくシンクに落ちた。

 流れる水が勢いを失い、止まった。

 洗剤のボトルが倒れ、中身が、残りの水と共に排水溝へと吸い込まれていった……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ