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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第四章 The end of the world end
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人の無

「無とは無であって無ではない」


「無という概念が在るという事だな?」


「そうだ。故に、この世界に真の無は存在しない」


「しかし全ては無に帰す。在るものは無くなる。私の皿洗いの果てに」


「否」


 喜一は、断言した。


「皿洗いの結果として、全てが無くなるのではない。お前がそれを求めるから、全てが無くなるのだ」


「何……?」


「無とは結果に過ぎない。その過程は人の手によるものだ」


「……」


「お前はお前の願いとして、全てを無に帰そうとしている」


「……」


「俺は無を求めていない」


「それが私と貴様との違いだと言いたいのか?」


「そうだ」


 喜一の思念を受けても、無に揺らぎは生まれなかった。


「そうか」

 

 という一言のみが返ってきた。

 

 喜一は思う。

 ビックバンが起こるのは宇宙の摂理とはいえ、そこに人が介在しているのであれば、それは宇宙という大いなるモノの意志ではなく、人の意志によるものなのだ、と。

 宇宙の意志を人が体現するなどとは、喜一は思わない。

 人の世には、ただただ人の行いがあるのみ。


「……貴様との皿洗いが楽しみだ」


 無の存在が消えたのを、喜一は感じた。

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