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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第四章 The end of the world end
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尽くす道

 犬飼ブラウンは生来目が見えない。

 盲目の皿洗い師である。

 故に、目以外でモノを「観る」事に長けている。

 空気の流れを「観て」飛来する砂が付着せぬよう自らの作った気流で皿を守る事など、彼らからしてみれば普段の皿洗いと特段変わらぬ事である。

 

 しかし、彼は何故このような地で皿を洗っているのか?


 世界皿洗い協会の中でも高い位置にいる彼であるならば、このような荒れ果てた地ではなく、より環境も設備も整ったところにて皿を洗う事が出来る。

 皿は世界中のどこにでもある。

 ここよりももっと住みやすい場所へ行った方が楽ではないか——。

 事実、十二支には煌びやかな仕事をしている者も多い。


 ——だが、彼はそれを望まなかった。


「皿を洗えぬ人の為に、自分が皿を洗う」


 そうした信念に基づき、彼はここで皿を洗っているのである。


 目が見えぬからこそ多くの人に助けられてきた彼は、だから、人の為に尽くす道を選んだのである。


 そして今、彼は洗い終えた皿を清潔な布に包んだ。

 

 その時——であった。

 彼の研ぎ澄まされた感覚が、異変を知覚したのは。

 

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