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仮に明日世界が滅びるとして
もしかすると明日、世界は滅びるかもしれないし、滅びないかもしれない。
そんな漠然とした事実を突きつけられた時、人間はどうするのか?
きっと、大半の人間は何もしないだろう。
一日では何も出来ないと言い訳したり。
大丈夫だと嘯いたり。
自暴自棄になろうとして、なりきれずに平然と過ごす——。
脅威を目視する事の叶わない場合、結局目の前の日常を優先し、いつも通りを選ぶ。
それが人間というものだろう。
皿洗い師もまた、そんな人間の一人である。
故に、皿を洗っている。
明日、世界は滅びるかもしれないし、滅びないかもしれない——。
それは彼らにとっては確かなる事実であるのだが、仮に明日世界が滅びると言われても、彼らは普通の人間とは異なり、皿を洗い続ける。
地球に巨大隕石が接近していても、巨大怪獣が暴れていても、彼らはいつもと変わらず、皿を洗う。
それが皿洗い師という生き方である。
それが皿洗い師という生き様である。




