世界を救う気はアルか?
「どこから聞いたものか……」
質問を選ぶ唐馬に、彼女は言った。
「お好きにどうぞアル」
「では単刀直入に。君は何者だ?」
「雷乃蛇」
「何!?」
あっさりとした答えとは対象的に、唐馬は驚きを顕にした。
「君が蛇なのか?」
「イエス」
「ならば前任は……いや、今はこの話はやめておこう。弓徒を鍛えたのは何故だ? 虎子君と決闘させたのはどういう意図があっての事だ?」
「その質問は、さっきもされたヨ」
「何の事だ?」
「こっちの話ネ。簡単に言えば、宇宙のリセットを食い止める為ネ」
「何? それは、まさか……」
「流石はミスター唐馬。察しが早いネ」
「在膳九龍の皿洗いの技量が、世界を洗うまでに至ったという事か……」
「ノー。まだ至ってないネ。もうすぐネ」
「……」
「時間はあまりないアル。少しでも使える人材が欲しいアル」
「それで弓徒君を鍛えたのか」
「彼はセンスあるアルね。そして、そこの彼もネ」
女が喜一を指さした。
そして、尋ねた。
「ヘイユー。世界を救う気はあるアルか?」
*
ありえない話ではない。
人の意志には力があるという。僅かだが、現実に作用する力が。
それが極限まで達した者が、例えば、世界を洗い清めたいなどと願っていたとしたら……。
本当に、世界は洗われてしまうのだ。
汚れ一つ無い、白い皿のように。
真っ白に。
第三章、完。
第四章へと続く……。




