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ビックバン
「私を倒すだと?」
「イエス」
「何故だ?」
「理由必要アルか?」
「興味がある」
「あなたは強く成りすぎたアルね」
「強さの極地を目指す事の何が悪い?」
「良い悪いではないアル」
「では何だ?」
「ビックバン、起きるネ」
「ほう……世界が滅びるということか?」
「近いけどノー。厳密にはリセットアルね。全てが無くなり、新たに始まるネ」
「まるで神だな」
「ノー。けど、あなたの強さはその領域に辿り着くネ」
「そうなるのであればそれがこの世界の……いや、そうか……なるほど。今はその時ではないと?」
「まだネ。だから、あなたを止める駒が必要あるアルよ」
「それがさっきの奴らだと?」
「他にもいるアルよ」
女が、指先を男の背後へと向けた。
「この気配……そうか。唐馬とその弟子か」
「イエス」
「……今はまだ、唐馬と顔を合わせるべきではないな」
「シャイアルね」
「……ふん」
まるで最初からそこには誰もいなかったかのように、男は一瞬で部屋から姿を消した。
その直後、
「失礼するよ」
「失礼します」
「ウェルカム」
部屋を訪れた唐馬と喜一に、女は声を弾ませて応えた。




