決闘の後
拍手が響く。
会場を割らんばかりの万雷の拍手が。
それを受けながら、世界皿洗い協会に所属する皿洗い師達が粛々と残った皿を洗っている。
普通なら、決闘を行っていた者達が余興として残りの皿を洗うのだが、あれだけの戦いだったのだ。
倒れた弓徒を担いで、声援を受けながら虎子も退場した。
観客も、帰りつつある。
当麻も「残念やったなぁ〜でもなんか気持ちいい感じやったからいいんちゃう?」と感想を語りつつ「駐車場が混む前に帰るわ〜」と一足先に帰った。
だが、唐馬と喜一はまだ座っていた。
「いい勝負だったね」
「はい」
「正直、弓徒君の事を見くびっていたよ。まさかあれ程までに力を付けていたとは……」
「……」
「けれど、だからこそ気に掛かる。彼にあの技を教えたのは誰なのか? という事がね」
「はい」
「この会場にいるかい? 君達が出会ったという人物は」
「……いえ」
「しかし、この決闘を見ていないわけがない。とすると……」
「決闘を行う皿洗い師の控室にはテレビがあります。人目を避けて、弓徒の控室にいる可能性があります」
「そうだね。行ってみようか」
「はい」
二人は席を立った。
出口に向かう観客の流れに逆らい、控室を目指す。




