唐馬の説明
兎歩とは古代中国に伝わる呪術的な歩行術でね、日本に入ってからは陰陽道にも取り入れられたりしている。
古代の聖天子禹に由来するものだとされているが、そういう説明は省こう。
君達が知りたいのはその効果ではないかな?
うむ。そうだろう。
禹歩とは、厄を除ける、病気を祓う効果のある歩法だとされている。
それで皿が綺麗になるのか?
当然の疑問だね。
そこで皿洗い師の腕の見せどころだ。
当麻君にはわからないと思うが、弓徒君はあの一足一足にかなりの気を籠めている。
静かだけど、周囲に気を伝播させる強烈な踏み込みだよ。
それで、邪気を祓っている。
自らに降り注ぐ厄を除ける歩法。
それを拡大解釈したとでも言えば良いのか……。
彼が動く度に周囲に満ちていた気が清浄化されている。
雰囲気が良くなっている、と言えるね。
それによって、皿がいつも以上に綺麗に見える——荒々しい虎子君と比べて、相対的に綺麗に見えている。
これにより、彼の心は折れない。
皿を洗う速度では劣っているが、美しさでは勝っている。
全てに於いて負けているのではない。
故に、彼は虎子君と戦えているのだよ。




