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皿洗い師・喜一 everyday dish washing  作者: O.S
第一章 everyday
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流し台という名の

「——!?」


 そこは戦場だった。


 泡飛沫が飛び、水が流れ、落とされた汚れが排水溝へと消えていく。


 いくつもの皿が瞬く間にラックへと導かれ、荘厳な建造物へと姿を変える。


 自分達が汚してしまった皿が、喜一の手により、まるで生まれ変わったかのような……いや、まさしく新生したとしか言いようの無い程に、生まれたての美しさを取り戻していく。


 輪廻転生。


 生きとし生けるもの、その全てが持つ魂のサイクル。


 人生と言う名の、生きる為の戦いの場の縮図が——そこにあった。


「あ……あ……」


 口元を覆い、嗚咽と共に涙した舞は、その場に座り込んだ。


 肩が……いや、全身が震えている。目からは止めどなく涙が溢れる。


 恐怖ではない。


 感動だ。


 赤子が生まれた瞬間に涙を流すのと同じく、舞は今ここで自分が再び生まれた事を実感した。


 極限まで磨き上げられた皿が放つ、純粋な魂の輝きによって、舞の心が洗われたのだ。


「……しゅ……しゅごぃぃ……」


 言葉にならない、震える魂の発した音が、口から出た。


 次元が違う。

 皿を洗う、という事の。


 舞はそれを魂で感じ取ったのだった。


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