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前置き
一話400字程度を予定しているので、肩の力を抜いて適当に読んでくれれば幸いです。
毎日更新予定(土日、祝日、用事がある際は除く)
皿洗い。
それは人が生きていく上で避けては通れない道である。
生きていれば、腹が減る。
腹が減れば、飯を喰う。
飯を食えば、皿が汚れる。
汚れた皿は、洗わなければならない。
皿の汚れはひとりでには落ちず、消えない。
シンクに詰まった残飯が、自然に消滅しないのと同じように
誰かが手を汚さねば、皿はいつまでもそこにあり続ける。
だからこそ彼は……千歳喜一は、皿を洗う。
飲み会の後に残された、大量の皿とグラス。
放置されたままでカピカピになってしまった、茶碗。
底が焦げ付いた、鍋。
油で滑る、フライパン。
水垢で汚れた、ティーカップ。
そして時には、人の心の汚れをも洗い流す。
彼は雇われの皿洗い師。
キッチンからキッチンへと渡り歩き、一宿一飯の恩義の為に人の家で皿を洗う者。
人呼んで、皿洗い師・喜一。
これは彼の闘いの記録である。




