始まりはいつだってインパクト
~中島みゆき「地上の星」を流しながらお読みください~
人は誰しも、その成長段階で特定の病を発症することが知られている。日本では罹患率が数十%を超え、社会問題に発展している病である。
まずは中二病。己を世界から選ばれた特別な能力を持つ人間と思い込み、邪気眼をその目に宿してしまう恐ろしい病である。これにかかったら最後、人生で最も恥ずかしく振り返る記憶が爆誕してしまう。
次に高二病。高二病は、中二病から覚めた高校生に多い、厭世的な思考回路になることを指す。最近の社会はおかしいと感じ、自分なりの理屈を作り上げる。これの慣れの果てが、「俺最近ビートルズにハマってんだよね」「あ~、俺も俺も。90年代のアメリカジャズは今の比じゃねえ」などという神も仏もない会話が成立する。
そして最後に罹患するのが、いわゆる「大二病」である。
人が若き時分に経験するすべての妄想、虚言、苦悩、葛藤、嫉妬、野望…。これらを総括した総決算こそ大二病なのである。
これは、そんな大二病という最も治しがたい難病に立ち向かう、ある大学生たちの闘いの日々を描いた物語である。
ーーーーー○ロジェクトエーックス…(エコーかけて)