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悪役令嬢戦記!~大切な人のために戦います~  作者: naturalsoft
6章:スタンピード!

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96/180

丘の上の戦いに決着!

現在96話

カウントダウン中


【報告】

もうすぐ100話達成を記念して、ちょっとしたサプライズを用意しました。




お楽しみに!

帝国軍本隊の魔法部隊がネクロマンサー捜索を開始したが、戦況は悪化していた。


「くそっ!ぎゃーーーー!!!」

「止めてくれ!あいつは俺の親友だったんだ!」

「ちくしょう!さっき倒したはずなのに!また起き上がって来やがった!」


倒した魔物は首を落とさないと、また起き上がり襲いかかってくる。死んだ仲間が蘇り、襲ってくるのでまた殺す。帝国軍は精神的に参っていた。すると、集中力が途切れて魔物の攻撃を許してしまう。この悪循環を止めるべく大将シャーマンは動き出した。


「ネクロマンサー捜索ため、魔法部隊の多くを探索に廻したが、何人かは残してある。例の物は陣から持ってきたか!」


シャーマンの問い掛けに、兵士は答える


「はっ!樽に入っています!全部で10樽ほどあります!・・・しかし、よろしいのですか?備蓄分の全てを使ってしまって?」


「今、ここで状況を変えなければ夜が明けた時、全ての兵士がアレの仲間入りだぞ!我々は援軍にきたのであって、城塞都市の敵を増やしに来たのではない!」


シャーマンの言葉にたじろぐ一般兵士


「指示を出したらこの樽を丘の上から転がして落とせ!魔法部隊は魔法の準備をしっかりしておけ!我々の仲間を死人にした報いを受けてもらうぞ!」


大事な仲間である味方を死人にして、人間の尊厳を踏みにじったネクロマンサーに強い怒りを覚えていた。


「シャーマン大将!準備が整いました!」


兵士の言葉にシャーマンは号令を掛ける。


「弓隊!一斉射撃!のちに、魔物の攻撃が鈍った所で、後退しろ!」


シャーマンの合図で弓隊が一斉に弓矢を射かける。そして魔物の動きが止まった所で、前線の兵士が後退する。これは前を向きながら後ろに少しずつ下がっていく。少し魔物と離れた所で、上からよくワインなどが入っている大樽が転がって落ちてきた。無論、帝国軍は道を作るように左右に別れている。


大樽が魔物の群れにぶつかり、いくつかの魔物を巻き込んで、下の方で止まった。するとー


樽が止まって少しすると、樽が大爆発を起こした。


「よし!成功だ!魔法部隊!風魔法で爆炎を巻き起こせ!」


大樽の中身は油だった。夜の灯りや食事を作る時に使う物資の1つだった。その樽10個を、丘の下に転がして爆発させたのだ。大量の油の炎はすぐには消えない。そして更に、魔法部隊の風で更に広範囲で炎の竜巻を起こし、周辺の魔物を巻き込んで消しくずにしていく。

昨日、城塞都市で戦った者ならすぐにわかっただろう。昨日、イルベルトがやった魔法を油で賄い、魔法専門の魔導師が複数で火炎竜巻を操っているのだ。昨日のイルベルトのやった比では無い。


丘の下から攻撃していた城塞都市の帝国兵も、攻撃を止め、目の前の炎に目を奪われていた。


「これは、昨日イルベルトさんがやった戦法か!?」

「昨日よりでかいな!しかも数も多い!」


油の樽は10個、離れて転がして落とした。そこから炎の竜巻が起こっているのだ。大勢の魔物が茫然としている所に、シャーマンは突撃の命令を出した!

魔物達は虚を付かれて、次々に討たれていく。後ろには業炎の火炎竜巻に退路を絶たれ、前からは剣を振り下ろし攻撃してくる人間達にパニックに陥った。丘の方面には、指揮の出来る魔物のリーダーは居なかったのだ。


そこに、遂に魔法部隊のネクロマンサー捜索班が、闇の魔力を察知した。魔物達が炎の向こうに分断され、手前の魔物達が倒させた事によってネクロマンサーは死体がないと何も出来ないのだ。故に、無理をして広範囲に死人魔法を展開した事によって居場所がバレたのだ。そしてネクロマンサーがいた場所とは─


先刻、陣地が魔物に襲撃された時に使われた穴の中にいた。場所には死人魔法を使うのにも、隠れるのにも最適な場所とも言えたろう。しかし、見付かれば別だ。逃げ場所が無い。陣地に続く穴はすでに塞がれ、行き止まりになっている。


「居たぞ!奴に間違いない!ネクロマンサーだ!」

「ちっ、骸骨の姿の奴がネクロマンサーか!?」


ネクロマンサーは骸骨の魔物であった。しかし服装は、魔導師や司祭と言ったボロボロのローブを着ていた。


「絶対に逃がすな!行くぞ!アンデットなら火属性の魔法を撃ち込め!」


狭い穴の中で、逃げ場のない所に多数の炎の魔法が撃ち込まれ、ネクロマンサーは一瞬で焼け死んだ。・・すでに死んでいるアンデットに死んだという表現が正しいのかはわかりませんが。


こうして、丘の上の戦いの山場は越えたのだった。そして、丘の上と下からの挟撃で魔物達が散りじりに逃げて行くまで、掃討作戦が行われ、帝国軍本隊と城塞都市の兵士達が合流するにもう少し時間が掛かるのだった。



愚者の声

「2つの戦場の1つに決着が着きましたね!」


シオン

「そうね!襲撃を掛けた穴の中にいるとは思わなかったわね」


愚者の声

「これで死人にされた人の無念を晴らせたね」


シオン

「ねぇ?それはそうと私の出番はまだかしら?」


愚者の声

「ぎくっ!?」


シオン

じーーーー!


愚者の声

「モウスコシマッテクダサイ・・・」



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