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悪役令嬢戦記!~大切な人のために戦います~  作者: naturalsoft
6章:スタンピード!

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95/180

激戦ですよー!

現在95話

カウントダウン中


【報告】

もうすぐ100話達成を記念して、ちょっとしたサプライズを用意しました。


お楽しみに!


少し時間が遡る


ひかりさんが回復魔法を使った所で─


!?


「この気配!間違いないのぅ!?」


光の精霊王の気配を察知したナーガだった。実質的に、この魔物の大群をある程度動かしているのはこのナーガだった。ミノタウロスやオーガーは性欲が強く、ナーガの眷属であるラミアに良いようにあしらわれていた。


「クックック・・・今まで何処におったのかのぉ~、妾の勘もバカに出来んものじゃて。色々と準備をしていて良かったわ!」


100年ぶりの再会に歓喜するナーガ。そして、これからの戦いに想いを馳せるのだった。


『おそらく、城塞都市の戦力はすでにボロボロじゃったから、回復魔法でも使ったのじゃろう。でなければ、城門前の魔物が吹き飛んでいるはずじゃしな・・・すると、討って出てくるのぅ』


ナーガはこれからの戦況を考え、方針を変えていく。帝国軍本隊の地中からの攻撃が予想外に対応されて失敗に終わったのだが、まだまだ策は考えてあるのだ。そのうちわかるだろう。


頭の良いナーガは、これからの城塞都市の行動を完璧に読んでいた。驚異的な事ではあったのだが、相手の個々の戦闘力まで読めなかった。それは、シオン達が反対側の城壁を登って潜入したため、フィリアス騎士団長達の戦闘をまだ見ていないからだった。故に─


城門から黒い影が飛び出したと思うと、あっという間に城門前の魔物達が屠られた。続いて、少し広い場所に待機していた魔物達にも攻撃を仕掛けている。これにはナーガも困惑した。回復させた兵士達での総攻撃を予想していたのに、飛び出したのは10人にも満たない少数だったからだ。しかも、強い!少数精鋭とよくいうが、強いとしか感想がなかった。

ナーガでも一対一ならば互角だろうが、あの者達に一斉に掛かって来られたら一瞬で殺られるだろう。

ナーガは驚いたが、すぐに我に返り、指示を出す。城塞都市の付近にいる魔物を1ヶ所に集め始めたのだ。幸いにも、魔の森から続々と魔物がこちらに向かって来ているのだ。数にはまだまだ余裕がある。


そこに、城塞都市の魔物が減った所を狙って、当初の城塞都市の帝国軍と冒険者達が続々と討って出てきたのだ!


「ちっ!小癪な真似を!これが狙いだったかのぅ!?」


後から飛び出した軍勢の殆どは丘の方へ向かった。数はざっと200人ほどか・・残りの100人は、最初に飛び出した少数精鋭のバックアップとして後方から討ち漏らした魔物を確実に倒していく。


「なんじゃ!あの者達は!強すぎる!?・・・じゃが!」


ナーガはラミアに指示を出し、フィリアス騎士団達を包囲するよう魔物達を動かした。しかも、後方に多くいたリザードマンやオーガー達にも指示を出し向かわせた。リザードマンなどはナーガの配下では無いが、フィリアス騎士団の強さに、従った方が良いと判断した故の行動だった。

そしてリーゼンがスキルを使い、魔物の中に取り残される事になる。


同刻、丘の帝国軍は─


「シャーマン大将!すでに丘の中腹まで進軍出来ました!」


ちょうど魔物が穴を掘って侵入してきた所まで降りてきたのだ。これにより魔物と戦う面積が増えてきた。しかし魔物側も後ろからの200名からなる城塞都市の帝国軍を相手に混乱していた。最上位支援魔法を受けた帝国軍は強かった。丘の上の帝国軍本隊達にもその強さに目を奪われるほどだった。しかし、1番驚いていたのは本人達であった。


「すげぇ~」

「敵の攻撃が小石程度の衝撃しか感じない!」

「傷を負ったのに、すぐに回復しやがる!」

「これが光の精霊王様の力か!?」


「違うだろう!あの心優しい契約者の少女のおかげだ!」

「そうだな!確かシオンお嬢さんだったな!」

「おいおい!あの子は公爵家お嬢様だぞ!【様】を付けろよ!」

「ははっ!違いない!」


戦いながら雑談する城塞都市の帝国軍に本隊の者達は驚愕していた。


「おい!下で戦っている奴等、笑っているぞ!」

「マジかよ!?」

「なんであんなに強いんだ!」


城塞都市の帝国軍の兵士達は、自分達に戦う力を与えてくれた、光の精霊王の契約者であるシオンに感謝と、帝国上層部である宮廷の奴等がしでかした行為に罪悪感を覚えながら、闘志を燃やし魔物達と戦っていくのだった。


「な、なんだ!」

「倒した魔物が!?」

「いや、おい!死んだ仲間が!?」


丘の中腹まで戦況を押し返した本隊に衝撃が走った。


「た、大変です!死んだ仲間や魔物達がゾンビとして蘇り、攻撃を加えております!」


「何だと!!!!?」


魔物との戦いでまったくの死者が出てない訳では無かった。しかし、少数とはいえ、勇敢に戦い死んでいった仲間に、剣を向けるのは躊躇われた。しかも、倒した魔物がどんどんまた蘇って戦線に加わるものだから、敵が減らなく疲労ばかり溜まっていく状態だ。


大将シャーマンもかなり焦っていた。


「くそっ!ここに来てこんな事になろうとは!?」


そこに魔法部隊から報告がきた。


「大将シャーマンに申告します!これはネクロマンサーの仕業です!こいつを見つけなければ、我々の負けです!」


「そうか!しかし、この暗闇と魔物の数では・・」


松明や魔法で明るくしているが、辺りは深い闇夜に包まれている。どんな姿をしているかも解らないネクロマンサーを見付けるのは至難の技だ。


「死んだ味方が蘇っているのです!すぐ近くにいるはずです!この死人魔法は近くに居なければ行えません!闇の魔力を使っていればネクロマンサーかどうかわかります!」


この進言に、大将シャーマンは魔法部隊の多くを割きネクロマンサー本体の捜索が始まった。




シオン

「これはヤバいですわね」


愚者の声

「そだねー」


シオン

「これは次回、わたくしの出番かしら!?」


わくわく!わくわく!


『ネクロマンサーの死霊には光魔法でしょう?っと、言うことは・・・うふふふ!』


シオン&愚者の声

「なんだってーーーー!?」

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