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悪役令嬢戦記!~大切な人のために戦います~  作者: naturalsoft
6章:スタンピード!

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悪役ぶるのはやめましょう!

魔物の駆逐はもうちょい待って下さいね。この話を書きたかったので。

ひかりさんのお陰で、戦力が回復した城塞都市の帝国軍、冒険者達。無論、死亡者は減ってはいるが、大部分は回復したと言っても良いだろう。しかも、やる気に満ちた状態で!

これから城塞都市から討って出る所で、私も覚悟を決める事にした。【正義】は【悪】がいて初めて輝くものだから・・・


お兄様に軽く説明した所、心配されたが最後まで護るからと手を握って勇気をくれたの。


「光の精霊王ひかり様!私は協力に反対です!」


やる気に満ちた場の雰囲気に水を差す行為だった。まさに空気読めよKYだった。


城塞都市のみなさんは誰だ?っと私を見ていた。そこに空から降りてきたひかりさんが話し掛ける。私の意図を汲んでくれたみたい。


「シオン・・・何度も話し合ったでしょう?この城塞都市の方々には罪はないのよ?」


「ふざけないでよ!私の住んでいる街に龍をけしかけて何人の街の人々が龍に喰われて死んだと思っているのよ!そしてそれを護ろうと命を捨てて戦った騎士達も・・」


やばっ!本当に涙が出てきたよ。


「イルベルト様、あの方は一体・・?」


「あの方は光の精霊王の契約者だ。噂で聞いているだろう?フィリアス公爵の令嬢が光の精霊王様と契約して赤龍を撃退したのを!」


!?


「だいたい!罪が無いわけないでしょう!これだけ魔の森に近い場所にある城塞都市だもの!多数の帝国軍が魔の森に入って行ったのを知っているはずよ!私達の街を襲って、いざ自分達が危険だから手を貸して欲しいってバカにしているの!私は嫌よ!死んでいった街の人達も許さないわ!」


「ふ、ふざけるな!我々がフィリアス領を襲ってなどいないぞ!」

「そうだ!そんな非人道的な事をするか!」

「戦争なら敵兵を倒すが、無関係な一般人を襲ってたまるか!」


色々な反論が飛び交うが、イルベルトさんは何か知っているのか俯いていた。そしてひかりが勿体ぶるように言葉を発する。今や城塞都市の神と同様の存在であるひかりさんの言葉は、城塞都市の人々全てに伝わる。


「城塞都市のみなさん・・・残念ながら契約者であるシオンの言う事は事実なのです。魔の森にある龍の巣を荒らし、フィリアス領の城塞都市に誘導して襲わせたのです。確かに、帝国軍は実際には手を出していませんが、間接的にフィリアス領を襲ったのです」


光の精霊王の言葉に反論出来る者は、城塞都市には居なかった。光の言葉が真実であると認めるしかないのだ。


「本当・・なのですか?」


1人、遠慮がちに聞いてきた。ひかりさんは黙って頷いた。


「なんて事を・・・」


ある者は膝を付いて後悔し、ある者は両手を組んで許しをこう様に祈る。そこにお兄様がお城で見せた魔法ヴィジョンで赤龍の襲撃を映像で見せた。


人々は余りの惨劇に、怯え、戸惑い、もう止めてくれ!叫ぶ。


「わかった!この惨劇を作り出したのが帝国なのよ!誰が手を貸すものですか!」


私の言葉に今度は誰も反論しない。いや出来ないのだ。


「みんな死んじゃえばいいー」


パーーーン!


辺りに静寂が流れる。


「シオン!今、何を言う所だったの!あの惨劇を体験した貴方が!無関係な街の人達の死を願うと言うの!?」


私を叩いたひかりさんの方が辛そうな表情だった。


「うぅぅ・・うわあぁぁぁぁん!!!」


私はひかりさんに抱き付き大声で泣いた。演技では無く、本当に泣いたの。お兄様の映像を見て、そして一歩間違えればこの城塞都市も同じ状態にしてしまう所だったことの恐怖に耐えれなくなっていたの!


そこに─


「シオンお嬢様。私達の帝国が貴方の街にとんでもない事をしてしまい、本当に申し訳ありません!!!」


ジークが私の目の前で深く頭を下げる。


「同じ帝国に住む者として、今はただ謝る事しか出来ません!僕自身も怒りでどうにかなりそうなくらです!ただ、少しだけ時間を下さい!このスタンピードを乗り切ったら、必ず主導した者共を処罰することをお約束致します!」


ジークの言葉に周囲の市民や冒険者、帝国兵からも賛同する言葉が聞こえてくる。


「シオン・・わかっているのでしょう?」


私はひかりさんの胸の中で頷いた。


「みなさん、シオンを責めないで下さい。シオンもわかっているのです。ただ、頭で理解しても感情が抑えられない事もあるのです」


ひかりさんの言葉に、私は俯きながら小さく協力しますと言うのだった。



少し離れた場所で─


「イルベルト、どこまで知っていた?」


アルフは確認する。


「帝国軍の小隊・・いえ、中隊規模の兵士が高位冒険者を引き連れ、魔の森に入った事は知っていました。ここで補給したので・・でも作戦内容は知りませんでした。本当に!」


イルベルトの握った拳から血が滴り落ちる。


「ジークでは無いが、俺も怒りでどうにかなりそうだ。この代償は高く付くぞ!王宮の貴族どもめ!」


アルフとイルベルトはお互いに頷き、スタンピードを終息させた後の事を考えるのだった。


愚者の声&シオン


ガタガタ・・・ガタガタ・・・


キョロキョロ、キョロキョロ?


愚者の声&シオン


ふぃぃいいい!!!!

居なくなった・・・よね?


シオン

「しゅ、主人公の座は譲りませんわ!」


『どうかしら?』


ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!



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