脳筋には難しい話です!・・・何か文句でも?
イルベルトさんの間の抜けた声が響いたが、私は続けた。
「まず、城塞都市の兵士や冒険者を回復させれば戦力が戻るのですね?」
再度、言葉を変えてもう一度言った。
「え、ええ。その通りですがその回復させるポーションが底を尽きまして癒せない状態なのですが・・」
「大丈夫です!回復魔法を使いますので!」
これには冒険者ギルド長も驚いた様に口を挟んだ。
「帝国軍、冒険者や義勇兵を含めて300人はいるのですよ!回復魔法では魔力が足りず倒れてしまいますよ!」
普通ならそうなんでけどね。私の事を知る関係者は平然としている。治せる事を伝えて、その後の事を話し合った。
「信じられませんが、あれほどの結界魔法を扱えるのですから、ひとまず信じましょう。そろそろあなた方の事を伺っても?」
アルフさんが、説明してくれた。
「シオンお嬢様、イルベルトは信用出来る男です!ギルド長も長年交流がありますので、皆様の事を言い触らす様な事はないと思います」
「わかりました。アルフさんを信じましょう」
ちょっと偉ぶった口調で言ってみる。これでさっきのおのぼりさんの汚名は挽回・・じゃない、返上?はできたかな?
「イルベルト、そしてギルド長、ここからは最重要機密となり、この事を他の者にバラした場合は、お前達を殺さないといけなくなる・・いいか?」
アルフさんの真剣な眼差しにごくりっと喉を鳴らすイルベルトとギルド長。二人が頷たのを見てからアルフさんが続ける
「まず、この御方はフィリアス領で顕現された【光の精霊王】様である!そしてこちらはその契約者であるフィリアス公爵家令嬢シオン・フィリアス様です」
「な、なななな!?」
「アルフ殿!!!それはどういう事ですか!?私の理解を超えている!」
二人共、びっくりし過ぎて顎が外れそうだ!
「ど、どうして!セフィリト王国の令嬢が帝国にいるんだ!それに光の精霊王様なんて信じられない!」
そうなんだよねー!どうして帝国にいるのか私達にもわからないんだからね・・・あっ、なんか涙出てきた。
でもひかりさんの正体を明かすのは簡単なんだ。ちょっとひかりさんに、球体状態になってもらって人形に変身してもらうと信じてもらえるでしょ♪
ひかりさんにちょちょいっと正体を明かしてもらい、イルベルトさんと話し合った。
「・・・疑ってすみませんでした!」
イルベルトさんが深く頭を下げて謝ってきたの。いえいえ、信じられないのはしかないですからね~と、話を戻します!
「スタンピードを収める方法はあるのですか?」
やっと本題に入りましたよ。
「スタンピードなど初めてな事で、解決法が見付かりません。ただ・・」
ギルド長があくまでも予想ですと言って続ける。
「魔物が組織だって動いているのです。城門もラミアが隊列を組んで魔法を撃って壊されました!帝国軍の援軍が来ると城塞都市を攻める部隊と援軍を迎撃する部隊に魔物が別れました。恐らく魔物を指揮出来るリーダーがいると思われます」
この情報には各団長も驚いた。
「魔物が隊列を組んだだと?」
「リーダーは理解できるが、そんな高度な作戦や指揮が魔物にできるものなのか!?」
「しかし、本当なのです。なのでリーダーを倒すかどうかでスタンピードが収まるのではと考えております」
なるほど!定番だね!
「ギルド長、倒すのではなく躊躇うことは何かあるのか?」
うん?他に何かあるのかね?
「仮の話ですが、リーダーを倒せば魔物は離散すると考えられます。すると周辺地域が危険になります」
なんと!?それは大変だよ!どうすればいいのよ!
「よって、魔物の大群を劣勢にするか、リーダーに手傷を負わせれば魔の森に撤退するのではと考えました」
なるほど!リーダーに大勢の魔物を連れ帰ってもらうのか!頭良いね!!!
「予測の域をでないが、的外れでも無さそうだ」
「確かにね!」
「取りあえずその方向で動きましょうか!」
つまりどういうこと?
「シオン、つまりいつもの事ですよ♪城塞都市の戦力を回復させて、城塞都市から討ってでるのです。そして魔物をどんどん屠っていき、リーダーにダメージを与えて撤退させるのが作戦目標です」
がーーーん!ひかりさんが理解していて、私が理解できていないなんて!?
脳筋シオンにはいつもの事ですよーと思う愚者の声だった。
愚者の声
ガタガタッ
シオン
「何を震えているのかしら?」
愚者の声
「その手に持っているのは何ですか?」
シオン
「ただの木製バットですが・・何か?」
愚者の声
「や、野球でもするのですか・・・?」
シオン
「しませんわ♪バットはこうするのです」
バキッ!
素手でバットを折る
愚者の声
ひいぃぃぃぃぃぃいい!!!!
シオン
「あら?脳筋でごめんなさいね~」
マジですみませんでした!生意気言いました!
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