がくしゅーしてないじゃん!
城塞都市に【潜入】した私達は、ただいまピンチを向かえていた。
「お前達!何者だ!どうやって・・いや!どうして城壁を登って潜入してきた!」
あっれー?魔法で気配と姿を消していたんじゃなかったの!?私が首を傾げているとマチスさんがこっそり教えてくれた。
「お嬢様、いくら魔法でも万能ではありません。巡回している帝国軍がすぐ隣にきたら吐息でわかりますし・・・その・・」
マチスさんが言いにくそうに伝える。
「お嬢様やひかり様みたいに、城壁を登る時にはしゃぎながら上がって来ると流石にバレますね・・」
はうっわ!!!
ば、バカな!私のせいなの!?私がひかりさんと同レベルだと!そんな事がありえるのか!?
(いえいえシオンの方が下ですよ?)by愚者の声
私は自分の迂闊さに震えていると、帝国軍の兵士が暖かい・・いえ、生暖い目で私達を見てきた。どうやらマチスさんと私の会話が聞こえたらしい。こっそり話しても以外と城壁の上は音が響くらしい。故に私達も見つかったのだが・・
「質問に答えろ!こんな小さな子供達を引き連れ、魔物に包囲された城塞都市に何のようだ!」
口調は乱暴だが、顔は疑ってはいるがそんなに厳しい目では見ていないようだ。決して私が残念な子に見えていない事を祈ろう。
どうしたもんかと考えていると、向こうから城塞都市の司令官であるイルベルト副官と言う人と城塞都市の冒険者ギルドのギルド長さんがやってきた。
「どうした!何事だ!」
イルベルトは私達を見ると驚いた。
「アルフ殿!!!戻られたのか!でもどうやって!?」
おや?アルフさんのお知り合いですか?ってか、アルフさんとジークはこの城塞都市に住んでいるんだった!知り合いがいて当たり前か。
「イルベルト!無事だったか!悪いが、今の状況を教えて欲しい」
「それは構いませんが、それより此方も状況を教えて欲しいのですが・・?」
イルベルトさんの言葉はもっともな事だった。
「すまないが、部屋を用意してもらえるか?この状況を打破出来るお方をお連れしたんだ」
!?
「このスタンピードを止められるのですか!?」
「それはまだ確約出来ないが・・この破られた城門に結界魔法をお掛けになられた御方をお連れしたと言えば納得できるか?」
「なっ!?」
「たまたま、北の街に商品を卸しに行った所で偶然お知り合いになってな。急ぎ戻ってきたという訳だ。・・・まだ余り知られたくないのだ。静かに話を出来る場所を頼む!」
イルベルトさんはこの場を兵士に頼むと、私達を城壁を降りた近くの兵舎に連れってくれた。
「ここなら石造りのため話が漏れません。人払いもしてあります」
そう言うと用意してあったポットからお茶を出してくれた。兵舎と言う事もあってそれなりに広かった。ここは兵舎の詰所みたいな所か、物珍しそうにキョロキョロする。そんな私を暖かい目で周りのみんなが見ていた事に気付きませんでした。
アルフさんが改めてイルベルトさんを紹介してくれた。
「みなさん、こちらが城塞都市の帝国軍をまとめているイルベルト副官です!」
「初めまして、こんな大変な時に力を貸して頂けるそうで感謝にたえません」
だ、誰か胃薬を用意して!この原因を作った元凶がここにいるのよーーーー!!!!
あ゛ああ・・・胃が痛い
「副官なのにトップなの?」
苦笑いしながらアルフさんが答える
「この城塞都市のトップは貴族出の良くいる無能なんですよ。この街の帝国軍はイルベルトが実質的に仕切っているんだ」
なるほど・・王国の大臣も無能だったもんなー!何処にでもいるもんだね。まったく迷惑な!
「まぁ、扱い安い無能隊長だったので少しおだてればいいように扱えたので楽でしたけどね」
黒い笑いをするイルベルトさん。うん!これくらいしたたかでないとやっていけないのかな?
「さて、話を戻しましょう。この城塞都市は城門こそ破壊されたが、そちらの誰かが張ってくれた結界魔法のお陰でなんとか持っています。ただ、怪我人が増えてポーション類も不足したため戦える戦力がほとんど無くなり、籠城するしかない状況です。丘の上に帝国軍本隊が援軍にやってきてくれたので魔物の半分以上が向こうに行ってくれたので何とか持ちこたえていますが・・・時間の問題でした」
ふむふむ、イルベルトさんの説明は要点を得ていて分かりやすいね!
「では、傷付いた者を癒せばまだまだ戦えるという事ですね!」
「はっ?」
イルベルトの間の抜けた声が響いた。
シオン
「わたしだってがくしゅーしてますわ!」
愚者の声
「がくしゅーしてるの?」
シオン
「わたしななさい!がくしゅーするおとしごろ!」
愚者の声
「幼児かしてるだと!!!!・・・・退化してる?」
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