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悪役令嬢戦記!~大切な人のために戦います~  作者: naturalsoft
6章:スタンピード!

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帝国軍VS魔物

特殊斥候が城塞都市にたどり着いた頃、 大将シャーマンが側にいた側近に確認した。


「魔物の種類や状況など調べに行った斥候の他に城塞都市へ向かった特殊斥候は無事にたどり着いたか?」


「はっ!同行した通常の斥候と別れて城塞都市に向かったと報告がありました!あの者のスキルを使えば無事にたどり着いたと思われます。着いたらすぐに伝書鳩を飛ばす手筈になっています。彼の斥候の者が城塞都市にいればこちらからでも伝書鳩を飛ばせます」


大将シャーマンは側近の報告に満足する。今、重要なのは城塞都市の現状を知る事であり、その報告では損害を覚悟してでも、無理矢理に城塞都市に向かい合流する場合もあった。逆にまだ大丈夫であれば、夜を耐え明日の明朝に一斉攻撃を掛け魔物を駆逐していく予定だ。

そんな時、シャーマンの元に伝書鳩が飛来した。シャーマンは待ちに待った連絡にすぐに手紙を開封した。


「むう!なるほど・・・」


手紙を読んだシャーマンに周りの側近や士官も内容を確認する。


「信じられん話だが、城塞都市に結界魔法を張ったのは旅の者だそうだ。しかもスタンピードの予兆を察知し、あらかじめ用意していたのか・・、今のままであれば夜明けまで十分持つようだ」


辺りがざわめく


「あれだけの結界魔法を一体誰が!?」


「そこまではわからない。今は張った者を探すより現状を打破することが重要だ。城塞都市では食糧はまだ持つが、ポーション類が不足して怪我の治療が出来ないらしい。クソッ!こんな所で王国の輸入規制が響いてくるとは!?」


王国が少し前に輸入を禁止したのは食糧だけではなく、都市国家から入ってくる良質の薬草類も止まり、ポーション不足を招いていた。帝国軍本隊もポーション類に余裕がないのである。


「王国に早馬を飛ばせ!緊急事態だ!頭を下げてでも王国からポーション類を輸入しなければ大勢の人が死ぬ!」


シャーマンの言葉に伝令が王国国境に向かわされた。


「伝令!貴殿の任務は最重要である!確実性を取るため3人で馬を走らせ王国軍からポーションを譲って貰うよう交渉せよ!軍資金を持たせる!買えるだけ買ってこい!」


「「はっ!了解しました!」」


伝令が急ぎ出ていこうとすると、シャーマンは呼び止める。


「待て!ダメ元でも王国軍の力を借りれないか頼んでくれ!」


伝令は少し狼狽しながら尋ねる。


「よろしいのですか?」


王国軍に援軍を頼むと言う事は自国に他国の軍を招くと言う事である・・・


「責任は全て私が取る。神国側の帝国軍は恐らく動かんだろう。彼処には帝国の第2王子がいる。神国軍を殲滅し、自分を次期皇帝として認めさせる事しか考えておらぬ!あれだけの魔物の大群をこの国境帝国軍のみで駆逐するのは流石に無理だ。潤沢に物資ある状態で時間を掛ければ不可能では無いが、ポーション類が無くなれば怪我の治療ができなくなり、逆にこちらが全滅するだろう。まだ余裕のあるうちに恥を忍んでも、助けを呼んで来てもらいたい」


大将シャーマンの言葉に伝令はビシッと最敬礼をする。


「お任せ下さい!王国軍に土下座をしてでもポーションと援軍を連れて来ます!」


伝令も顔つきが変わりやる気に満ち溢れていた。


「すまん!頼んだぞ!」


そして今度こそ伝令は馬に乗り、王国の国境へと向かうのだった。


少し時間が経ち、夜営の出来る簡易の陣が完成した。現実世界でも、木の杭を打ったり、土豪を積んだりするが、この世界には魔法がある。土魔法を使える者が、3千の兵を休ませる事の出来る広範囲で土、又は石の壁を作り出し正方形で囲む様に作ったのだ。

壁の高さは2メートルほどでそんなに高く無いが、短期間に設置して魔物の侵入を防ぐのには十分だった。入口を制限することで大勢の魔物と戦わないよう考慮されていた。


シャーマンは兎に角、一晩耐え忍び明日は全軍で城塞都市に入り合流するつもりであった。結界魔法を上手く使い魔物を効率良く屠っていけると考えていたのだ。


日も傾いて来て空がオレンジ色になっていく。もうすぐ魔物が活性化する時間帯になる頃だ。


「そろそろ、日の落ちる時間帯だ!表に出ている部隊を下げて入口付近で展開しろ!ローテーションで休憩と食事取れ!」


魔物が攻めて来ている状態での食事など、中々出来ないが、腹が減っては戦が出来ない訳で・・


「クソッ!さっさと食べて魔物を倒してやる!」

「干し肉・・むしゃむしゃ」

「食べながら戦ってやるぞ!」


色々な人達がいるのです。そして、日が沈む頃に異変は起こった。


ゴゴゴッ!!!ゴゴゴッ!!!


「なんだ!?」

「地震か?」

「なんの地響きだよ!?」


急に帝国軍の陣内で、大地を揺るがす地響きが起こったのだ。


「静まれーーーい!!!」


大将シャーマンや高位士官達が兵を落ち着けさせるのに奮闘した。


「魔物の襲撃に備えろ!これを期に襲ってくかも知れん!」


少しして地響きが収まると、すぐに魔物が一斉攻撃をしてこないか警戒した。するとー


「ぎゃあぁぁぁぁ!!!!」


突然、陣内の中で叫び声が響いた。


「うわあぁぁぁぁぁ!!!!」

「魔物が現れたぞ!!!!」


陣内に大きな穴が空き、そこから魔物が現れたのだった。時間は丁度、日が沈み暗くなる所だった。



シオン

「小賢しい真似を・・!?」

愚者の声

「ふっふっふ!どうだね?裏をかいたのだよ!」

シオン

「あなたが指揮したのでは無いでしょうに・・」

愚者の声

「これで帝国軍は壊滅さ☆」

シオン

「壊滅させてどうするのよ!?」

(ノ`△´)ノ




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