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悪役令嬢戦記!~大切な人のために戦います~  作者: naturalsoft
6章:スタンピード!

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さぁ!戦争を始めよう!

ここまで長かった・・・

勇み足で強行軍した貴族の私設軍が壊滅している頃、運良く後方に騎馬でいた私設軍の者達が来た道を戻り、帝国軍本体に事情を報告しに戻った。


「大変です!先遣隊として先行していた貴族私設軍が魔物に襲われて壊滅しました!」


戻ってきた者の報告に帝国軍の本体は驚愕した。本来は先遣隊ではなくろくに休憩も取らずに、ただ先行しただけの部隊ではあったが300人はいた部隊が1時間ほどで壊滅したと言うのが信じられ無かった。すぐに伝令者は最高司令官であるシャーマンは進軍しながら騎馬の上で事情を聞いた。


「私設軍勢は300人はいたはずだが?どうして1時間足らずで壊滅した!?」


伝令者は畏縮しながら答えた。


「わ、我々は城塞都市を一望できる丘の上まで進軍しました。そこで信じられないほどの数の魔物の大群を目視しました。そこで傭兵団が逃げ出してしまい人数が半減しました。傭兵団を繋ぎ止めようと内輪揉めしている時に、近付いている魔物に気付かずに襲われ・・・壊滅しました・・」


伝令者の最後の方の声は小さくなっていた。この報告に帝国軍国境総大将シャーマンは頭が痛くなった。進軍を1度止めて、斥候を出しその間に至急、高位官僚を集めた。


「既に話は聞いていると思うが、先行していた貴族私設軍が壊滅した。そしてこの後は想像出来ないくらいの魔物と戦う事になる!ここまでは良いな?」


周りの官僚達は頷く


「故に、先行していた貴族達みたいに好き勝手に動かれては勝てん!ここは勝つためにも私の指示に従ってもらう!」


一部の高位官僚は渋い顔をしたが、シャーマン以上に上手く軍の運用が出来る訳でもなくしぶしぶ頷いた。誰だって死にたくは無いからだ。いつも難癖を付ける者も従ったのは300人の私設軍が1時間も経たず壊滅したという事実を聞いていたからだ。変な言い方だが、一部の部隊が壊滅したことにより、烏合の衆であった軍隊が良い意味で、全軍が大将シャーマンの下で1つになったのだ。


「城塞都市が心配だ!兵達に魔物との全面戦争を改めて通達しろ!進軍する!途中で斥候と合流して時間を短縮するぞ」


大将シャーマンの一言に辺りが騒がしくなる。進軍開始した帝国軍2500人は30分ほどで斥候と合流する。


「報告します!前方の丘に魔物が多数存在し、こちらに向かって来ています!丘の下から次々に登って来ているようです!」


シャーマンは直ぐに命令を下す!


「魔物が目視したら隊列を整え前進する!丘の上の魔物を一掃し、丘の上に陣を構える。その後、登ってくる魔物に対処しつつ城塞都市の突破口を開くぞ!」


シャーマンの指示は的確だった。戦いとは多くの場面で上からの方が攻撃しやすく有利なのだ。そして遂に魔物捉えた!


「魔物の種類はわかるか!?」


「確認出来る魔物の種類は、オークやゴブリン、ヘルハウンドが多くいます!少数でオーガとリザードマン!あ、後はラミアも数体確認!」


シャーマンと副将達も上位魔物対処に考えを伝える。


「重装歩兵を前に出せ!2列目に弓隊を配置し、3列目に魔法部隊を展開させろ!左右騎馬隊を配置し、魔法部隊が攻撃した後に突撃せよ!」


戦術はシンプルだった。まず重装歩兵を前に出し、下級魔物を狩り取りつつ弓隊で援護、上位魔物が現れたら弓隊が援護しながら更に後方から魔法部隊が一斉に魔法を放ち一掃する。そしてそこに騎馬隊が突入して撹乱し、離脱後歩兵部隊で一気に殲滅していく予定だ。


「さぁ!戦争の時間だ!我らの領地を襲った事を思い知らせてやれ!!!」


各部隊で細かな伝令が行き交いし、シャーマンの作戦概要が末端の兵にまで行き渡る。人数が足りなく各地から集めた兵達だったが、優れた指揮官の下で魔物を倒すという目的のために、熟練の軍隊並みに、足並みが揃っていた。



さぁ!戦争を始めよう!


愚者の声

「遂にぶつかるんだなぁ~」


シオン

「そうですわね・・・パリパリ」

ポテチ美味しい


愚者の声

「なに緊張感のない事をしてるの!」


シオン

「だってフィリアス領地でも無いですし、別にどうでもいいですわ」


愚者の声

「そんな他人事でどうするの!主人公でしょう!」


シオン

「だって悪役令嬢ですもの♪」


愚者の声

Σ(´□`;)



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