帝国軍とシオン達の状況が違い過ぎる件について
いつも御覧頂きありがとうございます。
2018年は1/1の投稿後、5日間お休みを頂きます。1/6から投稿しますのでよろしくお願い致します。
遂に魔物の大群が城塞都市に差し迫る頃、王国の国境に展開している帝国軍に火急の報せが届いた。
「なんだと!スタンピードだと!?」
報せを聞いた帝国軍国境総大将シャーマンは伝令に再度確認した。
「伝令ご苦労だった。すまんがもう一度確認してもいいか?」
伝令は休まずに馬を駆けてきたため、ボロボロの状態だったが、もう一度敬礼をして答えた。
「はっ!1日前に魔の森近くを移動していた貴族の馬車が襲われたのがきっかけで、魔の森の様子がおかしいと、冒険者にすぐさま依頼を出しました。防衛の兵が少ないため、早急に解決しようとしたのです!その冒険者がもたらしたのが魔物の大群が城塞都市に向かって来ているとの情報でした!」
シャーマンは疑問を投げ掛ける
「その冒険者が嘘を付いている可能性は?もしくは見間違いなどは?」
「はっ!それについてはギルドの依頼であり、ギルドで依頼達成の表示が証明されたので間違いありません!」
反論の余地のない回答にシャーマンはすぐに上位士官を招集した。
「良く集まってくれた!聞いている者もいるが、大変な事態が発生した!魔の森でスタンピードが発生したのだ。そして東の森の北にある城塞都市に向かっているらしい」
!?
「なんですと!」
「バカな!」
「そんな!?」
「どうすれば!?」
一様に取り乱すが、シャーマンが一喝する
「「静まれい!!!」」
辺りがシーンとなる
「グズグズしている場合ではない!すぐに行動に移るぞ!ここにいても王国は動かんだろう。帝国に穀物の輸入を止める嫌がらせに、軍を派遣したと考える。すぐに王国軍に魔の森でスタンピードが起こった事を伝えれば、向こうも防衛の為に軍を引くだろう。最悪の場合は王国軍の力も借りねばならん!」
総大将の言葉に、事の重大さを改めて知り軍の救援の指示をだす。
「すぐに神国側の軍にも火急の早馬を走らせろ!最低限の守備を残しすぐに救援に向かうぞ!」
「「「おおっ!!!」」」
今回の王国側の国境に配備された帝国軍には良い面と悪い面があった。正規の軍は神国側に多く配備されており、急遽王国が軍を動かした事により兵が足りず、近くの城塞都市から招集した兵と、貴族の見栄のために派遣された私設軍が混在していた。いわゆる烏合の衆であった。それ故に、戦闘力では不安が残るが身軽なため進軍が速かったのだ。特に貴族の私設軍は、魔物を倒し実績を上げれば発言力が上がり、上手くすれば1つ上の位を授かれるかも知れないのだ。やる気だけは上がるだろう。そして他の軍に後れを取るまいと急ぐのだった。
こうして、2日掛かるかと思われた救援は1日半で城塞都市にたどり着くのだった。
そこで何が待っているかも知らずに・・・
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その頃・・・
魔物の大群が押し寄せて来ている時に、シオン達は小さな街にたどり着いていた。
そして─
「わははは!!!!」
「旨い!帝国のワインも中々・・」
「子パンダちゃん♪あーん♪」
「きゅあきゅあ!」
「ん~!シオンの料理は最高です~♪」
「すごい!こんなに身近な食材でここまで美味しいものを!?」
「うまうま♪ゴクゴク!」
「ぷはー!最高ー!」
・・・・なんと言いましょうか、街に着いたシオン達は宿に直行して、また厨房を借りて料理を振る舞っていたのです。この街は都市グレンと魔の森の城塞都市を繋ぐ中継地として、多くの物資が集められ、振り分けられる街で、王国の交易都市シェルの縮小した街と思って欲しい。
そしてこの街の特産品が帝国産のワインだったのだ。そして言わなくても、シオンやレインと言った子供以外がワインを【がぶ飲み】しているのだ。もう一度言います。【がぶ飲み】しているのだ。
こうなるともう手が付けられない。小さな宿を貸し切り宴会の会場となったのだ。飲めや歌えやで大変盛り上がっております。あのマチスさんですら・・・その場にいた何人かのお客を巻き込んで。
「シオンお嬢様~飲んでるかーい!」
「私は子供なので飲めません」
「レインお兄様~飲んでますー?」
お兄様もたれ掛かって抱き付くリーネちゃん
リーネちゃんも酔っておる!?誰だ!未成年にお酒を飲ませたのは!逮捕してやるぞ!・・・にゃはははは!!!
「お兄様~わたしもー!飲んでますー?この後はお部屋に・・ね♪」
「み、みんなどうしたんだ!誰だ!未成年のシオン達にお酒を飲ませたのは!!!」
「わははは!!!!若様、今日は無礼講ってことでいいじゃないか!」
酔っている相手にフィリアス公爵家の威光は効かないらしい。そしてシオン達が酔っているのはシオンの料理が原因だった。良質のワインがあるからとフランベの料理法にあった。アルコールを飛ばせずに料理に残ったため、食べたシオンも酔ったのだ。無論、大人には大丈夫でも子供のシオン達には十分酔う量だった。
赤龍騎士団長リーゼンは宿の客と飲んでいた。
「ただ酒を奢って貰って申し訳ない」
「なーに!ここで会ったのも何かの縁だ。気にするな。それより、あんたの息子か?シオンお嬢様と同い年か少し上かな?食べてるか!」
宿のお客にシオンと同じ年齢の男の子が居たのだ。金髪の碧眼のとても整った顔立ちの少年だった。美少年と言っても良いだろう。
「はい!とても美味しいです」
その男の子は平民にしては礼儀正しかった。
「私の子供ではありませんが、本当の子供として接しています」
「そうか・・まぁ、お互い訳ありみたいだが、今は関係ない!楽しもうぜ!」
リーゼンと意気投合したお客は一緒に飲み明かすのだった。
「君が料理したの?すごいね!」
「にゃはははは!照れますなー!私は料理で天下をとちゃうよー!」
「本当に美味しいよ!ありがとう」
「いえいえ、おきになさらずに。私はシオンって言うの!あなたは?」
「僕はジークレスト!ジークで良いよ」
「では、ジーク!二人の出逢いにかんぱーい!」
「かんぱーい!」
少しお話しをしている所にお兄様も会話に混ざる。
「迷惑を掛けてすまないジーク。私はシオンの兄レインだ。よろしく!」
「こちらこそよろしく!」
こうして止める事の出来ない宴会は続くのだった。
あれ?43話で思い浮かべいたシーンとなんか違う・・・
続くのだった!(覚えておいてね)
愚者の声
「・・・なにか弁解はあるかね?被告人」
シオン
「・・・・ありませんわ」
愚者の声
「お世話になった城塞都市が危ないのですよ!わかってますか!?」
シオン
「わ、わかって・・・うっ!」
愚者の声
「体調の悪い振りをしてもダメです!」
さぁ!行きますよ!
シオン
あ゛・・・レロレロレロ
愚者の声
ギャー!(T0T)
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