いろいろな魔物さんがいるのです!
遂に始まりましたね。
正直、皆さんの予想を外れる展開にしたので批判が怖いです。
さて、少しお馬鹿な事をしている内に時間が経っていった。日が暮れて太陽が山に隠れようとした時間に魔物の大群が近道から出て来たのだ。
!?
「まさか本当に!?」
副官の指示で魔の森を見張っていた騎士がすぐさま、狼煙を上げすぐに城塞都市に引き返した。そして狼煙を見た城塞都市にいる副官イルベルトとギルド長が息を飲む。
「報告を受けるまでどうしても半信半疑だったが本当にスタンピードとはな・・・」
イルベルトの表情は暗い。いや、城塞都市の外壁にいる兵士達みんなの表情が暗かった。
緊急発令を出して市民を逃がそうとしたが、冒険者の言う通り、殆んどの市民は逃げなかったのだ。そして大勢の市民を抱えたまま、絶望的な防衛戦しなければならなくなったのだ。
「いいか!偵察の兵が戻り次第に、城門を閉じ門の所に木箱や馬車の荷台のような重たい物でバリケードを作れ!援軍が来るまでに城門が破られたら終わりだぞ!」
イルベルトの言葉に兵士達は大声で叫ぶ。叫ぶことで不安をまぎらわせようとしているのだ。少しして偵察の兵が戻ってきた。
「ご苦労だった!すまないがさっそく近場で見た魔物の大群に付いて教えてくれ」
偵察に赴いていた兵・・帝国騎士団ともあり、しっかり見た事を報告した。
「はっ!魔の森の近道より夕暮れ時に魔物が出てくる所を確認しました。最初はゴブリンやスライムなど下級魔物が出て来て、その後ろにヘルハウンドやオークが居たのを確認しました。更に後方にはオーガらしき魔物もいたように見えましたが、暗くなり距離も遠かったので確実は言えません!」
「数はどれほどだ?」
その問い掛けに今まではっきりと答えていた騎士は言葉を詰まらせる。
「どうした?」
騎士は小さく答える
「わかりません」
イルベルトも意味が分からず尋ねる
「わからないと・・」
言い終わる前に騎士が答える!
「わからないほどの大群です!私が撤退してもまだまだ森から魔物が溢れてきてどれだけの数がいるのかわかりません!」
騎士の叫ぶような報告に言葉を失う。まさかそれほどの数なのかと・・・
辺りを沈黙が支配する。そこへギルド長が最初に声を上げる。
「スタンピードなど100年に一度あるかの災害だ。予測など誰にも出来ない。今はできる事をするだけだ!幸いにも、帝国軍という援軍が期待出来るだけましだろう?」
さすがは、帝国軍より魔物の相手を長年してきただけはある。ギルド長の掛け声で我に返ったイルベルトは一言すまいと言って持ち場へ戻っていった。そうして、この場から誰も居なくなった後に呟いた。
「去年、フィリアス領の城塞都市を襲った龍襲撃事件・・龍がくるまでに魔物の大群が押し寄せたと報告にあったが・・・」
ギルド長は龍襲撃も考えて頭を振った。
「まさか・・な」
フィリアス領には龍襲撃の時に光の精霊王様が現れ、契約を結んだ少女に絶大な力を与えて撃退したと聞いた。希望は帝国軍だけではないかも知れないと淡い期待を胸にギルド長も持ち場へ向かうのだった。
まさか、この状況をその少女が起こしたとも知らずに・・・
(だから私のせいじゃないって言っているでしょう!)
・・・幻聴が聞こえましたが、無視しましょう。
城壁に登り、外を見渡すと東の森から大勢の魔物がこちらに向かってきているのが分かる。
「凄い光景だな・・」
思わず口にしてしまうイルベルト。近くに居たギルド長が答える
「そうだな。一生に一度見られるかの光景だな」
生き残れたら一生の自慢話になるだろう。少しでも声を出して勇気を振り絞らないと恐怖でどうにかなってしまいそうだった。
「魔物の編成がおかしいな?」
!?
少しでも光明が有ればと聞いてみる
「何がおかしいのだギルド長?」
「足の速いウルフ系が後ろにいて、動きの遅いスライムやゴブリンが前にいるので進軍が全体的に遅い。何故だか知らんがな」
なるほど。今は少しでも遅い方が助かるな!援軍が来るまでの時間が稼げる。
これには訳があった。足の速いウルフ系の魔物は、いち早く東の森に着いたが、迷いの森で迷いたどり着けなかったのだ。その後に誘導魔法が発動し、後ろに居たスライムやゴブリンが先頭になり移動を開始した。狭い森の中では数の多い下級魔物のせいで前に行けなかったのだ。
「魔物の見本市だな。見ろ!珍しい魔物がいるぞ!」
魔物の素材を解体してきたギルド長や冒険者達は絶望的状況下でも魔物の素材の事に目がいってるようだ。
「ヘルハウンドにゴブリンが乗ってるぞ!さしずめ、ゴブリンライダーってとこか?」
「それよりあっちを見ろよ!アラウネがいるぞ!おっ?それに黄金スライムか!?」
「マジで!?初めて見たぜ!捕まえたいな!」
「ゴブリンロードがいないか?コボルトリーダーに、あれはオークキングか!?」
ひときわ大きいオークを発見し叫ぶ冒険者達。
「おいおい、ミノタウロスもいるぞ!城門は大丈夫か!?」
「トレントって森から出られるのな?」
木の魔物トレントが動く様はなんとも滑稽な感じだった。
「レッサーデーモンも魔の森に居たのかよ・・」
下級悪魔と呼ばれる魔物。その実力オーガ並みだと言うが余り見掛けない種類の魔物だった。
「おお♪すげーーー!後方にラミアがいるぞ!」
男達声を弾ませるのも無理はない。ラミアとは下半身が蛇で上半身が人間の女性なのだ。
【ちなみにチチ丸出しである】
「な、なぁ?ラミアの集団の中央にいるのはナーガじゃないのか・・!?」
ナーガとはラミアの進化系の上級種だ。地方によっては守り神に奉わられる事もある強力な魔物だ。
【ちなみにチチ丸出しである】
(これだから男って奴はサイテーなのよ!)byシオン
「ガイコツにグーグル・・じゃないグールまで」
「でも、思ったより飛べる魔物が少ないな?キラービなど昆虫系の魔物ぐらいか?ハーピーはいないか・・?」
冒険者とは対極にイルベルトと帝国軍はさっきより青ざめていた。
龍がいなければ2日ほど持ちこたえられると思っていたのだが、予想以上に上級魔物が多かったためだ。
「フィリアス領では討って出ているが、今回の魔物の群れはそれ以上で、上位種も多い。城壁から魔法と弓、それに1日かけて集めた石を投げて応戦するぞ!」
「「「了解しました!」」」
こうして、魔物を向かい打つ準備は整ったのだった。
愚者の声
「むふふふ!」
シオン
「これだから男って奴はサイテーなのよ!」
愚者の声
「!?なんのことですかな?」
ドキドキ
シオン
「ネタは上がってんのよ!観念なさい!」
浄化魔法!ホーリーシャワー!
え!?
ジュワー!
ギャー何故だーーー!!!!
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