わ、私は悪くない・・・と容疑者は申しております。
遂に始まりました!戦闘シーン苦手なんだけど頑張ります!
【注意】
今回のスタンピードはタイトル紹介のものではありません。
シオン達が都市グレンに向かう途中にある小さな街に着く頃に魔の森に設置した魔物を誘導する魔法が発動していた。
後で詳しく記載するが、シオン達が予期せぬ事が2つほど起こってしまったのだ。
誘導魔法が発動する数時間前に遡る。
東の森に1番近い場所ある城塞都市から、街を預かる衛兵の依頼で、冒険者達が近道を通り魔の森に入っていった。
「割りと良い依頼だったな」
「そうですね!オークを狩ってオーク肉を持ち帰るよりは楽ですね」
セフィリト王国からの食糧輸入のストップのため食糧の高騰が続く帝国で、魔物であるオークの肉を手に入れるクエストが優先的に張り出され、少しでも国民の食糧バランスを改善しようとギルドや地方領主がお金を出し合い依頼を出したのだ。ただ、倒すのは難しくないが持って移動するのが大変なのだ。冒険者でも、ある程度解体の知識と技術のある冒険者でなければ受けれないのだ。ただ倒して持って来ては、腐ってしまうし、血抜きしなければ他の魔物が寄ってきたり、肉が臭くて食べれなくなってしまう事もあるからだ。そして解体してバラしても、かなり重たいため、小遣い稼ぎ以外で大量のオーク肉を運ぶ依頼を受ける者は少なかった。
今回のように通常の2~3倍の買取値が付かなければ・・・
平均的なCランク4人パーティーで、そこそこ名の知れたベテランパーティー【堅実の森】達だった。地道に、依頼をこなす冒険者で目立った実績はないが、依頼達成率が高く城塞都市の市民や仲間内でも信頼が厚いパーティーだ。
「・・・なぁ、おかしくないか?」
「確かに・・衛兵の話では森から出た所で貴族の馬車が襲われたと言っていましたね。そして森の様子が変だと依頼が出されたと」
「魔素・・瘴気が濃いのか?東の森近くで?」
「しかもピリピリとした気配・・・殺気だっているのか?」
長年冒険者としてやってきたパーティーは森の異変に敏感に感じ取っていた。するとパーティーの1人であるシーフ職業の者が、いち早く魔物の接近に気付いた。
「静かに!魔物が向こうからやってくるぞ!」
小さな声で響かないようにパーティーに伝える。
「さて、どうする?正面から向かい討つか、脇道に身を隠しやり過ごすか・・」
シーフの彼が提案する。
「俺が先行して様子を見てくる。魔物の種類で対応を決めよう。ウルフ系だと匂いで身を隠してもバレる」
シーフの彼の言う事は最もだった。【堅実の森】パーティーはその案を採用し、武器を構えてシーフの彼が戻ってくるのを待った。
少し時間が経ち、シーフの彼が戻ってきた。ただし、全速力で駆けてだ。
予想外の展開に驚くパーティー達だが、シーフは走りながら叫ぶ!
「逃げろ!全速力で離脱だ!死にたくなかったら逃げろ!!!!!」
そのシーフの必死の形相に、瞬時に何かヤバい事が起こっていると判断し、来た道をパーティー全員が引き返し走る。咄嗟の判断が出来なければ長年冒険者としてやって・・・生きていけないのだ。それはベテランパーティーならではと言わざるおえない。
「はぁはぁ!何があった!」
走りながらシーフに尋ねる。
「はぁはぁ、す、スタンピードが起こった!もの凄い数の魔物が向かって来ている!」
!?
「ば、バカな!」
「はぁはぁ、本当だ!遠目のスキルで確認したんだ!しかも上位のオーガやリザードマン、ヘルハウンドの上位、ガルムまで居やがった!ウルフ系が追いかけてきたらとても逃げられない!はぁはぁ、戦っている内に魔物の大群に巻き込まれて全滅だ!」
シーフの必死の言葉に偽りはなさそうだが、信じられなかった。長年冒険者をやっていても、今まで合った事は無く、スタンピードなんてここ100年ほどは2~3回ほどしか起こっていないのだ。しかもその殆んどはゴブリンの大量発生でゴブリンキングが国として食糧確保のために攻めてきたという、上記で語ったスタンピードとは意味が違っていた。とまぁ、ゴブリンも殖えすぎると脅威になるので常時討伐クエストが出ている訳だが。
「兎に角、全力で城塞都市に戻るぞ!この情報を持って帰らないと城塞都市は全滅だ!」
こうして、帝国の命運を左右するほどに大きくなったスタンピード事件は幕を開けたのだった。
シオン
「わ、私は悪くないですわ!」
愚者の声
「と、容疑者は申しております」
シオン
「だって!誘導魔法が発動する前に起こっているじゃない!」
愚者の声
「でも間接的にシオンのせいだよ?」
シオン
「な、なんでですの!?」
愚者の声
「ネタバレになるので次回お楽しみに!」
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