予定にトラブルは付き物ですわ♪(挿絵あり
あれから1週間経ちました。
「カイン公爵様にお目通りお願い致します」
私達の屋敷に冒険者ギルド:魔の森支部のギルドマスターが城塞都市からやって来たのだ。私はちょうど入口の近くにいたので出迎えた。
「ギルド長さんお久しぶりですわ」
私はギルドマスターの名前を知らないのでギルド長と呼ぶことにした。
「おお、星乙女シオンお嬢様!ご無沙汰しております」
ギルド長さんは私に大勢の冒険者の命と、城塞都市を守ったおかげで他の人達より丁寧に挨拶をしてくれる。ってか、星乙女って言わないで!恥ずかしいから!?
「申し訳ありません。お父様は街の上役達と会議のため外に出ております。昼過ぎには1度帰ってくると思いますが・・」
私は良い淀んだ。戦争などの物資調達や都市国家から買い取った過剰な穀物(食糧)の振り分けなどで大変忙しく、予定通り戻ってくるか分からないからだ。
「帝国の事で忙しそうですな。ただ、3週間後に極秘で行われる作戦に付いて困った事が出来たので至急取り次ぎして頂きたいのです」
ギルド長は口調こそは丁寧だったが、目が真剣だった。
「入口でする話ではありませんね。どうぞ中へお入りください。誰か!ギルド長様を応接室へ!それとお父様に至急戻って来るよう連絡をお願いします!」
側にいた侍女さん達がそれぞれ動き出す。あれ?今の私はお嬢様っぽくないですか!?この小説で初めてかも知れませんね!最近は猫かぶり3枚(倍)が素で出せる様に成長しているのですわ!おーほほほほ!(腰に手を当て口元に手の甲を当てながら笑う)なんか違う・・・
テクテクテク
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応接室へ着くと、お母様とお兄様もやって来て侍女さんが用意した紅茶を飲みながら本題に入る。応接室には私達以外は人払いしてあるよ!
「今回お邪魔したのは他でも無く、私達がやられた魔物を誘導するに当たって、問題が発生したからです」
ギルド長さんからの本題は思った以上にヘビィでした。
「何があったのですか?」
私達はギルド長さんからの話を詳しく聞いた。
「我々はフィリアス公爵家の皆様には、とても返し切れない恩義があります。そこで少しでも魔物の誘導を危険なく行える様に、シオンお嬢様に命を救われた冒険者達の有志を募り、魔の森の通路の確保に動いていました」
冒険者達がそんな事をしてくれていたんだ。感謝しかないよ。私は胸が熱くなった。
「魔物の誘導は、シオンお嬢様しか出来ません。いくら光の精霊王様と契約したとは言え、危険が無いとは言えません。少しでもシオンお嬢様に危険が無いように、魔の森の構造の確認と危険な魔物の移動範囲など極秘に調査しておりました」
「冒険者達のご好意とても嬉しく思います。でも魔の森の奥は龍もいる大変危険な所です。余り、自らを危険さらして欲しくはないのですが・・」
ギルド長は軽く笑いながら言った。
「やはり、シオンお嬢様はお優しいですな。でも心配は無用です。無理はさせていません。無論、危険が無い訳ではありませんが、魔の森の東側は弱い魔物しか生息していないのです。丁度、魔の森が大きく細くなっている箇所がありますよね?そこは、古来より多くの冒険者を始め、商人達が護衛を雇って緊急の荷物の運搬に使われている道で、馬車も1台は通れるくらい道が踏み固められているのです。そこから東側は弱い魔物の住みかとなっており、東の森中心には大きな湖もあって冒険者達の休憩所にもなっております」
ここで説明が長くなったので紅茶を飲んで一服する。どうやら私達はこの道で帝国側に向かい、魔物を誘導していくようだ。
「では、どんな問題が発生したのですか?」
ここまでの説明で特に問題無いように見えるが?ギルド長は一息溜めていった。
「運の悪い事に、正確な確認はまだ取れていませんが、手負いの強力な魔物が東の森に逃げ込み、それを追って深淵部に近い所に住んでいる、強い魔物まで東の森に移動したみたいなのです」
なんでこんな時に!?
愚者の声
「予定は未定・・良い言葉だ」
シオン
「どうしてですの?」
愚者の声
「毎日、小説を投稿出来なくても言い訳出来る!」
シオン
「ふざけるんじゃありませんわー!」
幻の左ストレート!!!
愚者の声
ほげらぁ!?
ガック・・・
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