王様も激おこですよ!
同じ時間列でのお話です。
一晩、時間は遡る。
シオン達が襲撃を受けたその日、王都に赤龍騎士団が駆けて戻ってきた。赤龍騎士団は赤い鎧のため目立た無かったが、明らかに返り血を浴びていた。城門の門番も先ほど数時間前に出ていった赤龍騎士団が戻ってきた事で、本来は身分確認をするところを即座に、城門を開き迎え入れた。
「フィリアス公爵家、赤龍騎士団長リーゼンだ!道中に襲撃を受けた!国王陛下にお目通し願いたい!」
!?
周りにいた何人かが慌てて城の中に向かう。
待っている間に気を利かせた兵からタオルを借りて身体を拭かせて貰った。さすがに国王様に会うのに血だらけは不味いだろう。完全には無理だったがある程度綺麗になった所で、国王様自らが城門の広場までやって来た。
「兄上!・・・カイン公爵は無事か!?」
慌てて来たのだろう。息を切らせながら聞いてくる。赤龍騎士団は片膝を付いて報告する。
「先に述べさせて頂きます!フィリアス家の皆様は全員、無事でございます!」
周りに集まって来た城の兵士や騎士達から安堵の声が上がる。
「しかしながら!恥を忍んで申し上げます。かなり危険な状態でした。まず、フィリアス公爵家は交易都市に後30分の所で襲撃されました。小さな森向こうから煙が幾つも上がり、火事か、盗賊の襲撃かと確認の為に我々、赤龍騎士団が確認に向かった所を襲撃されました」
護衛の騎士団を減らす為の策略か!?
周りの兵士達からそんな声が聞こえる
「我々、赤龍騎士団が居なくなった所で、100人を超す統率の取れた部隊が襲い掛かって来ました」
襲撃者の人数を聞いて、驚く!
「ば、バカな!100人を超す部隊だと!?大臣達の逆恨みでも、事前に準備をして置かないと無理だぞ!」
「今回は大臣達の件ではありません。捕虜にした者から確認した所、帝国兵と判明しました」
「あいつら!許さん!」
国王様が怒りをあらわにする。
「しかし、100人以上の襲撃者からよくぞフィリアス公爵家の皆様を守り抜きましたね。・・・騎士団はどれ程の損害を出したのですか?」
今しがたやって来た近衛騎士団長のローランドがフィリアス家を守った騎士団の損害を確認する。ローランドは騎士団が最後の1人になるまで戦い抜いて守ったのだろうと予想していたが、予想に反して意外な返答が返ってきた。
「ご心配ありがとうございます。ただ、我々の各騎士団に損害はありません!誰1人死んでいません」
「「はっ?」」
間の抜けた返事をしてしまった。ローランドだけでは無く、国王を初めて、周りにいた兵士達も声がハモった瞬間だった。
「そんな・・どうやって!?」
リーゼンは誇らしげに言う
「我々の力だけではありません。シオンお嬢様のお陰です。支援魔法で力と防御力を底上げし、騎士団全員にリジェネーションを掛けて傷をだんだん回復させてくれたお陰で、全員生き残る事が出来ました」
「相変わらずの規格外だな・・・カイン公爵の長女は」
少し呆れながら呟く
「我々はシオンお嬢様に厳命されてますからね。絶対に死なずに戻ってくる事と・・我々はシオンお嬢様を悲しませたくありませんので、最後まで諦めませんよ」
リーゼンは国王様に口元を緩めて伝える。
「そうか・・・私が弱腰のせいでフィリアス家には迷惑を掛けてしまったな。もう迷わない!帝国に目に物を見せてくれる!」
「僭越ながら申し上げます。フィリアス公爵様は交易都市でお泊まりになる予定です。すぐに出発せず、交易都市と協力して何かしら対抗策を練ると思われます」
「向こうと話を合わせる必要がある訳だな?」
「はっ!その通りです」
お互いに好きに動いては勝てる戦も勝てなくなってしまう。しかし・・・
「ローランド!私は昨日の大臣達の更正で、後任の人事や滞っている政策の許可などで動けない。お前が私の代わりにフィリアス家の元に向かい、今後の方針を立ててきてくれ!」
「畏まりました!」
こうしてローランドは準備を整え、明朝に出発したのだった。
愚者の声
「シオン以外でも動きがありましたねー」
シオン
「全く嘆かわしい事ですわ!」
愚者の声
「そろそろエロフ・・・エルフさん出したいなー♪」
シオン
「浮気者がーーー!」
ドゲシッ!
ぎゃぁーーーー!
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