閑話
続きまーす!
城塞都市エルドラドの防衛戦は終了した。
しかし赤龍の襲撃もあり、油断出来ないと言う事で身軽な冒険者に急ぎ、魔の森の調査を依頼した。無論、森の奥深くまでではなく浅い地域での魔物の調査だ。
そして、赤龍襲撃から2日後に王都から援軍の騎士団が到着した。土龍戦を含めれば3日で到着したことになる。
「王都守護防衛近衛騎士団到着しました!」
王都守護と言うのは他国から攻められた時など、王都から防衛の為に出撃するエリート騎士団である。国王の警備なども担当している。
「近衛騎士団長のローランド・シーモアです。遅くなって申し訳ありません」
お父様と都市守備長、冒険者ギルド長に挨拶する近衛騎士団長。
「いや、王都から騎士団の編成を含めて3日で来てくれたんだ。十分迅速に来てくれた!感謝する」
「フィリアス公爵閣下、勿体なお言葉です」
貴族出身の多い近衛騎士の中でローランドは貴族特有の傲慢差がなく、平民にも人気の高い実力のある団長だった。
「この城塞都市で何があったのか教えて下さい」
この城塞都市トップ達は頷くと事の顛末を詳しく説明した。流石の近衛騎士団の団長を初め、近衛騎士団全員が驚いた!土龍と赤龍の襲撃に合った事、フィリアス公爵の長女シオンが光の精霊王を契約し赤龍を倒した事など驚きの連続だった。しかし、街の人々からの聴き込みでも事実と判明していた。
団長ローランドは国王の報告に頭を悩ませる事になる。
ただでさえ、困った事態になっているのに・・・
その頃シオンはー
「ふんふんふん♪これをこーして、あれをあーして☆」
出来ました!
シオン・スペシャルDXの出来上がり♪
シオンは料理をしていた。街の人々に炊き出しを作っていたのだ。そして今日のご飯はこれだ!
大鍋の蓋を開くと、中には【うどん】が入っていた。出汁はクズ野菜とキノコから取ったスープに調味料で味付けした物で煮込んでいたので、味が染みている。そして、うどんの麺に付いては小麦粉にジャガイモを混ぜているためもちもちした食感になっている。腹持ちも良いしね!街の皆さんが列を成してやってくるのでお椀によそぐ。
「美味しい!」
「なんだこれ!」
「ズズズッ!うまっ!」
大好評でした!まだまだ料理のレパートリー増やさないとね!美味しい食べ物は弱った心に元気をくれるのよ!
「美味しいですわ!シオン!」
「シオンの手料理・・・ジーン!」
うん?
聞いた事のある声が・・・???
まさか・・・はっ!?
私は視線上げて見ると、そこにはー
「王子様に王女様!?」
居る筈の無い人達がいた!
よし!逃げよう!・・・・と、いかないのが世の中なのよね。
「どうしてここにいるんですか!」
私はそう尋ねるしか無かった。
「シオンが心配で来ちゃった♪」
「心配で護りたかった・・」テレッ
来ちゃった♪じゃなーーーーい!本当にヤバい所だったんだよ!?
これこそがローランドの頭痛の種だった。一度はフィリアス領に行きたいと言われたが、危険なため国王の許可が降りなかった。すると、いつの間にか荷台に隠れて着いてきてしまったのだ。ああ・・・始末書で済めば良いがorz
「さっき到着して、事情を聞いたよ・・・本当に無事で良かった」
「沢山の方々が亡くなったんですね。ここに来る前に遺体を見ました」ぶるぶる
王女様震えてるじゃん!まだ6歳の子供には刺激が強すぎるよね・・・あれ?わたしもろくさいだよ?わすれないでね?
「シオン、髪を犠牲にしたって聞いたよ」
「髪の色ぐらいでみんなを助けられるなら安いもんだよ王子様」
王子は真剣な顔で近付くと、私を抱き締めた。
「シオン!君が困っていたら必ず助けに来るから!1人で抱え込まないで」
王子の腕に力がこもる。
「お、王子わかりましたから離して!?」
私は突然の事に赤くなり、じたばたする
o(><;)(;><)o
「シオンが、王子では無くアイオスと呼んでくれれば離すよ?」
私はダメだこれ!と思い王女様の方を見る。
『わたくしもイーリスと呼んでくだされば助けますわ♪』
と、小さな声で伝える。
ええっ!?
Σ(Д゜;/)/
どうすれば良いの!?と悩んでいると、辺りに物凄い殺気が充満した。
ガタガタ・・・怖い!
王子は冷静に殺気の方向に声を掛ける
「何か言いたい事があれば言いなよ?今、忙しいんだ」
この殺気の中で涼やかに話す。
「ここで・・・シオンにナニヲしている?」
声の主はお兄様でした!えっ?オニイサマ?この殺気を放っているのが?あの優しいイケメンの??
「あら、レイン様もお久しぶりですわ♪シオンの次いでに心配しておりました」
優雅にお辞儀をする王女様。でも、何かトゲがないかな?かな?
「ああ、お久しぶりですね。王女様・・で、王子様は私の大切な妹であるシオンにナニヲしているのかな?」
お兄様は笑顔で・・笑顔何ですけれどもーーーー!怖いんですがーーーー!!!!お兄様の笑顔の後ろには、何故か般若の姿が見えるんですけどーーーーー!??
って言うか、この二人はこれほどの殺気の中で良く普通に話せますね!!!?
「レインは目が悪くなったのかい?見て分からないのか?大切な婚約者であるシオンをハグしているんだが?大切な髪を犠牲したシオンを労っているんだ」
王子の言葉にお兄様から発せられる殺気が強まり、笑顔のブリザードが吹雪まくる!
えっ!!!?
笑顔なのに寒いって何なの!?
「レイン様、わたくしも婚約者との大切な時間を邪魔する何て邪推だと思いますのよ?」
おおう、王女様は王子の味方か!?ってか、王女様の笑顔(微笑ほほえみ)も怖いよぉーーー!!!
「ふざけるなよ!高々、婚約者候補の分際でいい気になるな!・・人の死の意味も知らない癖に」小声
ん?お兄様、最後は何て言ったの?
「いい加減、離れろ!その者から光を奪え!【ブラインド!】」
おおぃ!王子様に魔法使うなんて何を考えているのよ!私が必死に死亡フラグを折っているのに、私の側からフラグを建てていかないで!?
私は終わった・・・と思い絶望する。
「彼の者から闇を消し去れ!【クリアライト!】」
えっ?王子様が魔法を唱えると、すぐに視界が戻って来たようだ。
「ちっ!」
お兄様が舌打ちをする。ああぁ、あの優しかったお兄様は何処へ行ってしまったのかしら?
「闇魔法は効かないよ?私達はひかりさんの加護を受けているからね!シオンとお揃いなんだよ」
「それなら私もシオンとお揃いだな。シオンは闇属性も使えるし」
バチバチバチ・・・
男たちの熱き戦いが始まろうとしていた。
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「オマエタチ!ナニヲシテイル?」
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【大魔人というお父様が現れた!】
(しかも二段階変化の般若モードだ)
戦う
守る
逃げる
さぁ!どうする?
To Be Continued・・・
愚者の声
「終わらなかったのでもう1話続きます~」
シオン
「まったく、いつもみきり発車なんだから!」
愚者の声
「なんだよー!男にモテるからっていい気になるなよー!」
シオン
「あら?○○ピーになるのにまだピーのピーな貴方に言われたくありませんわ」
愚者の声
ぎゃぁーーーー!!!?
Σ(ノд<)
マジでご勘弁をーーーーー!!!
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