私は『できる』女なの!
大変申し訳ありません!
予約投稿の時に間違えて完結してしまったようで、読者の方からご報告があり連載に直しました。
ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
食い倒れの街を堪能した光さんが報告を始めました。ってか、食べてただけの光さんが情報収集していて、私達が何もしてなかったことにショックを受けるのだけれど!?
「まず、神国側の国境寄りから被害が広がっているみたい。でも、神国寄りといっても神国の国境から広がっているということで、神国を責める訳にもいかないようね」
光さんが用意した地図の上から被害の広がっている所に石を乗せていった。
「これは帝国側はそんなにでもないが、都市国家群の南の方が被害が大きいな?」
「その煽りを受けてセフィリト王国の方まで被害が広がってきていると?」
地図と睨めっこしながら意見を交換していく。
「多分、神国側から南に流れる川から『毒』が広がっているんじゃないかしら?」
「では、今まで余り騒ぎになっていなかったのは、まだ国境の周辺だけで人が余り住んでいない地域だったからですか?」
色々と旅をしてきた飛龍騎士団長のサクラさんが指をさした。
「ええ、そうでしょうね。そして秘密裏に強力な魔物が生み出されていたということね」
光さんの言葉に一同は、はっ!として顔を上げた。
「これは人為的に引き起こされようとしているスタンピード(魔物の氾濫)よ!」
光さんのいつになく真剣な顔に、事態の深刻さが伺えられた。
「前にあったフィリアス領や帝国のスタンピードと違い、人為的なんて起こせるものなのですか!?」
「そうね。今回は汚染された水源地を中心に、毒性のある魔物が産まれたり、集まってきているの。それがどんどん増えていけば…………いずれ弾けるわよ!」
!?
「今ならまだ間に合うと思うけど、このクロスバーンも影響が出始めている。綺麗な水が濁ってきているそうだから」
アイオス王子がここで進言した。
「これは想像以上の大問題です!父上に報告して………いや、各国と連携して軍を率いて対処するべき案件ですよ!」
さすがに何百、何千もの魔物をこの人数で相手するのは不可能である。
「しかし、問題があるわね。セフィリト王国とグランド帝国は良いとして、都市国家群がどう動くか………。聖ローラ神国は除外ね」
都市国家群は大小の小国や大都市の集合体で、議会を通すので意思決定に時間が掛かるのだ。
そして神国は─
「どうして神国が除外なのですか?被害は神国にも及んでいるんでしょう?」
光さんの言葉にイーリス王女が質問した。
「神国は………いえ、神国に魔族がいるからよ」
!?
「なんですって!?」
光さんの爆弾発言に驚く。
「多分、国の上層部に魔族が姿を隠して紛れこんでいると思うわ。でなければ、エルフの国を攻めたりする事に説明が付くもの」
エレンミアが光さんを見て言った。
「どうしてですか!?」
「エルフは魔族にとって天敵なのよ。かつて闇の化身を倒した後、力を使い切った精霊がどんどん魔族に消滅させられていった時、エルフが魔族を倒してくれたのよ。無論、人間や獣人も手伝ってくれたけど、1番魔族を倒したエルフは魔族にとって憎むべき相手に違いないわ」
光さんの説明に言葉を失った。裏を返せば、これは魔族に取っての復讐なのだ。
逆恨みにも程があるよ!
「神国が魔族の手に堕ちていたら、我々に軍を差し向けるでしょうね」
「各国で戦争が始まれば、それこそ魔族の思う壺だな…………どうすればいいんだ?」
下手に軍隊は動かせない。考え込むシオン達だったが、光さんの提案で汚染原の特定と可能な限り浄化を目的に行動する事が決まった。
「光さん、本当に大丈夫なの?」
珍しくシオンがマジな顔で言った。
「絶対ではないけれど、スイレンが居れば何とかなると思うわ。水を浄化できるスイレンに期待ね♪」
「ほぇ~?」
ムシャムシャとお菓子を食べていたスイレンはいきなり話を振られて首を傾げた。
…………本当に大丈夫かいな?
愚者の声
「不安だ………」
シオン
「不安ね!」
愚者の声&シオン
「「スイレンに任せて大丈夫なの!?」」
シオン
「ねぇ?まだ両親の水の精霊王は登場させないの?」
愚者の声
「光さん以外の精霊王はまだ検討中の段階なんだよねー?」
愚者の声&シオン
「「どうしましょう!?」」
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