過去編:光の精霊王!
ドーン!!!
ドン!ドン!!!
各地で爆発音が響き渡る。
「うわっ!!!!」
地の精霊王が吹き飛ばされた。
「大丈夫!?」
ダメージは少ないようですぐに起き上がる!
「焦るな!火の精霊王ならしばらくは十分に耐えられる!まずは数の有利を利用してアスタロトを倒すのよ!」
風の精霊王の言葉にアスタロトに意識を集中する。アスタロトは逆に余裕が出てきた。果敢に攻めずに受けに転じて、各精霊王達が焦り隙ができるのを待つ作戦にでたのだ。
キンッ!!!
キンッ!!!
「さっきまでの威勢はどうしたんだ!アスタロト!!!」
地の精霊王が魔法で身軽になった身体で素早くアスタロトに打ち込む!
「クックックッ、そっちこそ焦りで攻撃が雑になっているぞ?ほらっ!」
ガッギーーーーーーン!!!!
辛うじて防ぐがまた吹き飛ばされる。
ざざざっ!!!
「なんて力だよ。腕が痺れた…………」
ダメージこそないが、確実に疲労が現れ押されてきていた。地の精霊王が吹き飛ばされると同時に、風と水の精霊王がフォローに入り、アスタロトと対峙し、激しく戦っていた。
バシャッ!?
「なんとも小賢しいヤツよ!」
アスタロトと水の精霊王は相性が悪かった。地の精霊王の様に、物理で力と力でぶつかり合い、粉砕する事を得意としていたアスタロトに対して、水の精霊王は魔術と水の特性を生かした受け流しを得意としているため、アスタロトでもなかなかダメージを与えられずに、苛立っていた。
「フフフッ、ただの力バカでは勝てないわよ?」
うまく水を利用してアスタロトの力強い魔槍をいなしていく。しかしアスタロトもただ槍を振り廻していた訳ではなかった。
「ならば受けてみよ!魔技『魔毒龍』!!!」
アスタロトの槍から毒の龍が現れ水の精霊王に襲い掛かった!
「魔力の龍は私の十八番じゃぞ!『水龍』」
水の精霊王も水の龍を出して応戦した。
しかし─
「これは!?」
お互いの龍がぶつかり合うと、次第に水の龍が汚染され、綺麗な蒼い水が紫色に染まっていった。
「な………に?制御ができない!?」
完全に色が染まると、2体の龍が精霊王達に襲い掛かった!
「みたか!我が毒に汚染されたものは我が支配下に置かれるのだ!今度こそ死ね!!!」
水の精霊王は大技を放ったばかりで、魔力が足りずに避けるしかなかった。その水の精霊王を守るように風と土の精霊王が魔法で応戦した。
しかし、強力な魔力の龍が2体が波状攻撃を仕掛けてきて、さらにアスタロト自身も攻撃に加わった事により、細かい傷が増えていった。
「そろそろ限界だな?最後は我が魔槍で止めをさしてやろう」
すでに2体の龍の1体は潰したが、すでに各精霊王は満身創痍であった。そして、とうとうアスタロトが止めをさそうとしたとき、声が聞こえてきた。
「あら?素敵ね。ぜひ、味わってみたいわ」
!?
「誰だ!!!」
後ろを振り替えると、光の精霊王が立っていた。その後ろには火の精霊王もいる。
「「光の精霊王!!!」」
この作戦は頑張り過ぎて疲労している光の精霊王を休ませるために秘密にしていたのだが………
「流石に、離れていてもこれだけ大きな魔力を放てば気付くわ」
各精霊王はバツの悪そうな顔して頭を下げた。
「ごめんなさい!貴女を休ませようと思って………」
「ええ、わかっているわよ。ありがとう」
光の精霊王が話している時にアスタロトが攻撃を仕掛けきた。
「精霊王のリーダー光の精霊王よ!その首もらった!」
魔槍を手に毒龍と共に突進してくる!
「私の仲間達をよくも痛め付けてくれたわね?覚悟しなさい!」
アスタロトの槍が光の精霊王を貫こうとした瞬間に光の精霊王から光の閃光が迸った!!!
「ぐおっ!?」
それだけで毒龍は消え、アスタロトも全身を浄化の光で焼かれ、その場で膝を付いた。
「なっ…………この俺がたったこれだけで……」
想像以上のダメージにアスタロト自身が戦慄した。
「なかなか丈夫ね?さっきの魔将軍は魔法型だったのかしら?すぐに消滅したわよ?」
!?
「ば、バカな!すでに他の魔将軍を倒してからきただと!?」
ダメージらしいものがない光の精霊王にアスタロトは目を開く。格が違う!他の精霊王と一線を喫している。
光の精霊王はゆっくりアスタロトに止めをさそうとした時、アスタロトは魔槍を地面に突き刺した。すると、毒の瘴気が大量に吹き出した。
霧のように充満した瘴気を光の精霊王は浄化の魔法で発散させる。しかし、アスタロトの姿はもうそこには居なかった。
「………逃げたか」
こうして、各精霊王達が苦戦した魔将軍を光の精霊王はいとも容易く撃退したのだった。
愚者の声
「光さん、強すぎる!?」
シオン
「やめて!これ以上強くなったら主人公の座を取られちゃうわ!?」
愚者の声
「いや、もう光さん主人公でよくね?」
シオン
「いっやーーーーーーー!!!!!」
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