エルフのエロフ!
一同は和菓子を堪能した後、綺麗なチョコボールに手を伸ばした。
「これは今人気のチョコレートというやつかしら?」
「でもチョコレートは茶色ではなかった?」
シオンが持ってきた一口サイズのチョコボールはサクラ色に緑色などなど、色とりどりチョコボールが盛り付けられていた。
「チョコレートは確かに茶色だけど、イチゴや抹茶などを使う事で色を変えれるの。それぞれ味が違うから美味しいよ♪」
それぞれが好みの色のチョコボールを口に入れて味わった。
「う~ん!美味しいわ♪」
「これはイケルね!」
「ん~ま~い!?」
皆さん満面の笑みで食べてます。よかよか♪
「チョコレートはね、なにより保存が効くのが良いのよ。溶かせば何でも使えるしね」
「保存って出来てからどれくらい持つの?1ヶ月ほど?」
チッチッチ!シオンは指を振って残念と言って答えた。
「しっかり密閉した状態でなら1年以上持つのよ♪だから非常食などの備蓄にも使えるわね。騎士団の遠征でも喜ばれると思うよ?」
お母様が即座に決定の声を上げた。
「では採用しましょう!現在、セフィリト王国中から見込みのある騎士や守衛達が研修の名目でフィリアス領内へやってきています。厳しい訓練や魔の森の遠征にこの甘いチョコレートがあれば士気が上がるわ」
あれよあれよという間に決まりました。
「こ、これは!?」
ゆっくり味わって食べていたエレンミアさんが声を上げた。
「中に酒が入っておるのぅ♪甘味と酒の辛味が丁度よい塩梅じゃ!」
そう!ウイスキーボンボンであったのだ。
「シオンはまだ未成年なので、これは禁止ね」
なっ、なんだと!?
「お、お母様?」
「そんな悲しい顔をしないの。でもシオンが作ったのだから少ない量なら許可します」
ホッと胸を撫で下ろしたシオンだった。
しかしその時異変が起きていた!!!
自分の胸に手を置いた所、妙に寂しかったのだ。『胸』の事ではない。あるべき『物』が無かったのだ。『胸』の事ではない。
(大事な事なので2回言いました)
シオンは服を着ていなかったのだ!?
「はえっ?」
自分の状態に状況が飲み込めていないシオンに、耳元で囁きが聴こえた。
「ムフフフ♪ぺろりっ。シオンちゃんは凄いわね~お姉さん食べたくなっちゃった♪」
何を!?とは聞くまい。エレンミアが早業を超える神業でシオンの服を脱がし、後ろから抱き締めていたのだ。
すでに自分の衣類も脱ぎ捨てており、下着姿のシオンと違いスッポンポンな状態である。
「えええええ、エレンミアさん?」
エレンミアはシオンの膨らみかけの果実を揉み揉みしながら
「うふふふ、綺麗な肌ね~スベスベ~♪」
スリスリするエルミアに、『戦闘冥土』Aさんが動いた!
「うらやまけしからん!シオンお嬢様から離れなさい!!!」
気になるワードが出たけれど、スカートからクナイを取り出し飛び掛かろうとした!
すると戦闘冥土Aさんの目にも捉えられないスピードでエルミアが消えた。
!?
「どこに!?」
辺りを探す!
すると、きゃっ!という声が聞こえて振り向くと………
「お、奥様!!!」
なんと!お母様までもがドレスを脱がされ下着姿になって…………いたーーーーーーーーー!!!!!!?
「ハァハァ………なんて素晴らしいプロポーションなの♪とても子供を産んだとは思えないくらい綺麗ですわ♪このムチムチボディ!堪らんですわ!」
揉み揉み揉み………
「あっん…………ダメ………そこは、旦那様だけの…………んん!?」
アワアワ!?大人の世界だよ!
良い子は見ちゃダメなのよ!?
シオンは両手で顔を覆ったが、指の隙間から大人の世界を見ていた。
「き、貴様!いい加減に…………」
そう言い掛けたAさんだったが、エレンミアは風の魔法を放ち、Aさんの衣類のみを切り刻んだ。
「なーーーーーーーー!!!!!」
いつも冷静で無表情のAさんが珍しく感情を露にした。
「ハァハァ………良いわ!良い!!!ここは桃源郷なのかしら!?」
恍惚とした表情で、遂にひかりさんにまで魔の手が差し掛かろうとした瞬間、ひかりさんは万能精霊『光さん』に変身して光の球体へと逃げたのだった。
いつの間にか、エレンミアさんはAさんにまで抱き付きスリスリしている始末。
「よく鍛えられている引き締まった肌が素敵ね♪」
~~~~!!!!!
「ど、どうして急に…………」
Aさんが被害にあっている間に、急に変貌したエレンミアを考えた。お母様は肩で息をしながらソファーに身を委ねている状態。
最強戦力のアルトお爺ちゃんはチョコボールを食べてゴロンッと横になり幸せそうに寝ていた。
お爺ちゃーーーーん!!!!!!
何とかしてよ!?と言いそうになって初めて原因に気付いた。
「ま、まさかチョコボールのお酒のせいなの………?」
と、言うことはやっぱりシオンが悪い!
(どうしてだよ!?)
「ウフフフフ♪福眼じゃのぅ!この世の美女、美少女は私のものよ!」
目の据わっているエレンミアを見てダメだこりゃっ!と思った。侍女のAさんを犠牲にして逃げようとした瞬間、AさんとAさんの美脚にしがみついていたエレンミアの頭に水が被せられた。
「冷たっ!?」
「………………」
エレンミアは突然な事に悲鳴を上げたが、戦闘冥土(侍女)として訓練を受けていたAさんは冷静に対処し、スキをついてエレンミアに当て身を喰らわせ昏倒させた。
プカプカッ
プカプカッ
『大丈夫~?』
光の球体状態でひかりさんが尋ねた。
「もうっ!もっと早く助けてよ!」
『え~シオンのせいでエレンミアさんがおかしくなったのでしょう?手荒なマネは出来ないしね~』
ぐぎぎぎぎ!!!!否定出来ない所が悔しい!
「ただいまー」
そんな時、入口からお兄様の声が聞こえてきた。
!?
「ヤバイ!Aさん!!!」
この部屋はヤバかった。下着姿の女性陣が(1人はスッポンポン)倒れていたのだから。
「はっ!ここに来る前にレイン様を抹殺して参ります!」
いつの間にか服を着ていたAさんがいた。
おかしいでしょう!貴女は魔法で服が細切れになったよね!?クノイチってスゲー!!!
「殺してどうする!?お兄様がここにこないよう部屋に誘導して!」
Aさんは残念そうに出ていった。本当にあやつを雇っていて大丈夫なのだろうか?
そしてこの混沌とした部屋の状況をどうすれば良いのか頭を抱えるのであった。
愚者の声
(*゜∀゜)=3ハァハァ
シオン
「……………死ね」
ゴゴゴゴーーーーーー!!!!
愚者の声
「ぐぐっ!?しかしこの桃源郷を目に焼き付けるまでは死ねん!!!!!!!」
シオン
「なっ!なんていう執念…………」
キランッ
『旦那様以外にあんなハレンチな姿はみせられませんわ。塵も残さず消滅しなさい』
愚者の声
「えっ………………』
【消滅】
サラサラサラ………………
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