今までお色気が足りなかった!
地下8階─
シオン達は困っていた。いや、苦戦していたと言って良いだろう。魔力の消費を抑える為に、拳に魔力を纏わせ肉弾戦で戦うシオンだったが、8階から出てきた植物の魔物に苦戦していた。
「もう!鬱陶しいな!」
「おっと………!てりゃー!」
植物の茎を鞭のようにしならせて、ビシビシッ!と攻撃をしてくるローパーと言う魔物だった。
「シオン!気を付けてね!近付くと酸の液を掛けてくるわ!」
「了解だよ!」
植物の鞭を避けて、魔法攻撃を繰り出す!
「氷っちゃえ!フリーズ・プリズン!」
シオン2が目の前の床などをまとめて氷らせた。ローパーも半分氷って、動きが鈍くなる。
「喰らえ!!!シオン!ファイヤーナックルー!」
半分氷っているローパーに魔力を込めたパンチを撃ち込む!ネーミングセンスは変わってないですねー
シオンのパンチを受けたローパーは、下半分が砕けて倒れた。しかし、体内にあった液体は氷っておらずパンチをしたシオンに掛かった。
「シオン!!!!?」
酸の液を浴びたと思い、悲鳴を上げるシオン2。しかし─
白い煙と共にシオンの姿が現れた。どうやら怪我はないようだ。
「だ、大丈夫だよ~!あーびっくりした」
無事なシオンの姿を見て安心したシオン2だったが、すぐに固まってしまった。
「どうしたの?」
震える指先でシオンを指差している。シオンも頭に?を浮かべながら自分の身体を確認すると奇声を上げた。
「はにゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!」
そう、シオンは【すっぽんぽん】になっていたのだ。大事な事なのでもう一度言います。シオンは【すっぽんぽん】になっていた。さらにもう一度言います!
シオンはす………
(o゜∀゜)=○)´3`)∴ヘブシッ
『うっさい!殺すから!!!!』
ローパーの液体はシオンの服のみ溶かして、肉体には一切傷を付けて無かった。恥ずかしさの余りその場に座り込み、羞恥心に耐えるシオン…………うん!良いのではないでしょうか!?
まだ10歳ほどではありますが、出るところは出てきていて、両腕で隠す仕草が堪りません!天真爛漫のシオンが頬を赤くして恥ずかしがる姿は、この小説始まって以来ではないでしょうか!この小説に足りなかったもの!それはお色気だったのだ!!!!
(;´Д`)ハァハァ
これを記念してシオンのこの姿を脳内に焼きつけ………ブスッ!
ぎゃぁーーー!!!!目がーーーー!!!!
『みたやつはころす!!!!』
(目の前のおまえだ!)
シオン2は上着をシオンに羽織らせた。
「シオン!大丈夫!?」
「ふ、服が無くなったよ~しくしく」
「「これからどうしよう!!!!」」
無い頭を使い、考えるシオン達。そこに、ローパーの鞭に使っていた蔓が残っていた。
「シオン、取り合えずこの植物の蔓をベルト代わりにして」
「うん………わかった」
少し大きな上着を植物の蔓で縛り、下がスースーするがパッと見はミニスカートに見えなくもない状態になった。
(はいてない状態………)
「ありがとうね!」
「ううん、シオンが頑張ってくれたお陰でここまでこれたからね」
シオン達は話し合い、今回は5階に戻って帰る事になった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「うごおぉぉぉぉ!!!!」
目を押さえて転がり込むレインがいた。
「いくら兄でも男性がシオンの【裸体】を見るのは禁止ですよ?」
ひかりさんがレインに目潰しを喰らわせたのだ。
「ヒヤヒヤしたけれど怪我が無くて良かったわ」
「本当ですわ。あら?戻るみたいね」
「では、シオン達の為に魔物を間引きしていきましょう!」
「ぐぅ………ひかりさん。せめて一言いって下さい……」
王妃様とひかりさんが歩き出す。レインも目を押さえながらヨロヨロと後を追うのでした。
愚者の声
「良い話の回でしたねー♪」
シオン
「……………………」
キランッ!
愚者の声
「……………えっ?」
無言で剣を振り上げるシオン
三 (lll´Д`)助けてーーーー!!!!
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