バカな子ほど可愛い!
地下5階へ着いたシオンは驚いた。そこには生活に必要な物が揃っていたのだ。テントに火を起こす場所、コップや鍋もあり、壁には小さな泉が湧いており水の心配も無い。
「前にきた時に、少しずつ持って来たんだ!」
「助かるよー!お湯を沸かすね」
シオンはてきぱきと鍋に水を入れ、火を着けた。テントの横には大きな木箱があり、そこには保存の魔法が掛けられていて中には乾燥させた香辛料や薬草類、干肉が入っていた。シオンも小さな肩掛けカバンにスライスしたパンとその他諸々を入れて持って来ていたのだ。
「シオンは料理が出来るの!?」
「まぁ、ほどほどにね」
話しながらお湯に干肉を溶かして出汁をとり、干し薬草で風味を付けた。
「完成でーす!」
「おお!良い匂い!」
シオンは持ってきたパンをシオン2に渡した。
「少し浸けて食べると美味しいよ~」
「ありがとう!」
はむはむ………カッ!
「美味しい!」
「良かった♪」
暫しここでシオン達は食事をしながら話し合った。
「でね!トネリコにいるエルフとお友達になったの」
「エルフがいるの!?」
私はまだ会ったことないんだよね~エロフに早く会いたいなー!きっとボン・キュ・ボンなナイスバディなんだろね。
「今日は色々と予定が押してたから会えなかったけど、お城にも何人かいるから今度会わせるね♪」
「うん!楽しみだよー!」
「ここから先に、植物の魔物やお肉……食糧になりそうな魔物も増えてくるからね」
「了解ですよ!」
30分ほど休んだ後、シオン達は次の階へと進んだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「けっこう5階入口付近でも魔物は出ないものですね」
「そうね。セーフティエリアが近いから寄って来ないのかしら」
「10階以降は魔物が強くなるので油断出来ないけどね」
ひかりさん達もシオンが動き出すまで入口で休憩していた。
「そろそろシオンも動き出したわね」
「今度来るときは武器の予備も持ってくるようにしとかなきゃね」
「まぁ、武器を持って来ないバカは………いないとして、魔物との戦いで壊れることもありますからね」
「そうね。武器を持ってこないバカは………知らないとして、備えておくにこしたことはないでしょう」
「さて、夜遊びしにダンジョンに潜るバカを追わないとですね」
もうすでに、シオン達をバカ呼ばわりする三人だった。まぁ、バカな子ほど可愛いとはよく言ったものですね。
「本当にあの子達は何しにダンジョンにきたのかしら?せめて、大きな袋ぐらい持っていって欲しかったわ」
「食糧になりそうな魔物がいた場合の持ち運びにですね」
「まったく、武器も持たずにダンジョンに何を求めてきたのかしら」
「ああっ!今、話題のダンまちねー」
「ダンまちって?」
「巷で話題の小説よ♪ダンジョンで出会いを○めるのは間違っている~ってタイトルのねー」
「へぇ~面白そうね。今度読んでみるわね」
緊張が緩んで、雑談しながらシオンの後を追うのだった。
愚者の声
「最近は、電子書籍だけではなく、有名所の小説も買ってるから時間がたりないよー」
シオン
「仕事をしてくれないと困ります!」
愚者の声
「最近は良質の小説が多いのが悪い!」
シオン
「貴方のは駄作ですけどねー」
愚者の声
「何気に貶さないで!?」
シオン
「あら?本当のことでは無くて?おーほっほっほっ!」
愚者の声
「こ~の~!悪役令嬢めーーーー!!!!」
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