夜遊びはみんな経験するよね!
なんやかんやでミスレイン城の夜会は終了しました。これがしばらく毎日続くのかー!
………逃げて良いかな!?マジで!
このコルセットと言う名の拷問を毎日なんて耐えられないよ~
(泣)
せめてゴムみたいに多少は弾力性があればマシなのに………ん?
ゴムの様に?ゴムってないのかな?いや?代用の物があれば………?代用を探す?はっ!?ダンジョンだよ!
スライムでもトレントでも弾力ある素材を探そう!【私】の為に!!!
打ち合わせ通りに夜、部屋を抜け出して中庭でシオン2と待ち合わせして合流した。
「今晩は~、夜会はお疲れ様~」
「酷いよ!他人事だと思って!」
「あははー、ゴメンゴメン♪」
「まったくもう!」
「悪かったから~ダンジョンに連れて行くから機嫌直して」
「了解!後、相談があるんだけど?」
シオンはシオン2にコルセットの緩和の為に弾力性のある素材を探したい事を伝えた。
「私も公式行事の時は辛かったから協力するよ!」
「ありがとう。じゃぁ行きますか!」
「「おーーー!!!」」
「でっ?ダンジョンは何処にあるの?」
「あっ、言って無かったっけ?ダンジョンはここだよ」
「ここ?」
「うん、お城の中庭にあるの!」
「………マジで!?」
「精霊さん達がたくさん集まって来てね。いつも遊んでいたら作ってくれたの」
「精霊パッねぇな!?………ひかりさんも作れるのかな?」
「精霊王様なら作れるんじゃない?でも、色々な属性の精霊が協力して作るから1人だと難しいかも」
へ~そうなんだ!面白そうだから今度お願いしてみよう!
「さぁ!ここがダンジョンの入口だよ!」
中庭の端の方に石で造られた地下へ続く入口があった。
「うわぁ、ドキドキするね!」
「階段を降りると、最初は大きな広場に出るの。そこから迷宮を抜けて下の階層を目指すのよ」
「何階まであるの?」
「最初は10階まであって、10階のボス部屋を攻略するとレアアイテムがドロップするの!でも、だんだんと魔力が濃くなって今は30階まであるかな?」
「成長していくんだ………」
「ちなみに私がソロでいけるのが15階ぐらいまでね。お母様と一緒に30階まで行ったけど、20階を越えてからはまったく歯が立たなかったわ」
「じゃ、私は初めてだし10階まで取り合えず行こうか!」
二人のシオンは頷き合い、ダンジョンへと潜っていった。そして─
「はぁー、やっぱり行ったか」
「そうねー、でも面白い話をしていたわね。コルセットが楽になるなら貴族界では話題になるわ♪」
そこにはミスレイン公国の国王と王妃、そしてフィリアス家のレインとひかりさんがいた。
「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」
「いや、うちのシオンが誘ったんだ。こちらの方こそ危険なことに巻き込んで申し訳ない!」
「二人のシオンが怪我をしないように隠れて付いていきます。レインの幻術とシリカの力があれば大丈夫だろう」
「そうね。明日はとても素敵なお説教タイムが待っているからね。シオン♪」
『ブルブル』何か悪寒が……!?
こうして、シオンは知らない所で守られてダンジョンを潜るのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ダンジョン1階
「うわぁ~迫力あるなー!」
「5階までは似たような地形だよ。5階ごとにガラリと内装が変わるの」
「へぇ~」
『ゲィゲィ!』
蛙の魔物だ!ちょっとキモい!
「フレイム・ランス!」
シオン2が炎の魔法で魔物を黒焦げにした。
「魔物が出たら先手必勝よ!ぐずぐずしていたら囲まれちゃうからね!」
「了解です!」
私も気を引き締めて先に進むのだった。
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「順調の様だけど………ちょっと気になるわね」
「どうしたのですか?」
「ビッグフロッグは1階では出ない魔物よ?ちょっと気になってね。そもそも、ダンジョンには昼間しか入らないから、夜だと魔物が強くなるのかも知れないわね」
「なるほど………シオン、気を付けて」
レインやひかりさんの心配は尽きないのでした。
愚者の声
「暑い~」
ぐてー
シオン
「本当に暑いですわねー」
愚者の声
「そう言って、なに涼しい顔しているのよ!」
シオン
「ちょっと冷却魔法を自分に掛けているだけですわ♪」
愚者の声
「ぐがーーー!私にも掛けろーーー!!!!」
シオン
「良いですわよ♪」
愚者の声
「えっ?優しい?」
シオン
無言の殺気!!!
愚者の声
ガタガタッ!!!!
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