人の話は聞きましょう!
さぁ!遂に大陸が見えてきました!
ミスレイン公国です!
「うーん!ようやく到着ですね。船旅にも飽きてきた所でした」
「シオンはじっとしているのが苦手だからね」
お兄様がそう言うと、ひかりさんも同意して頷いた。
「たまには大人しくしているのも良いものよねー」
「言いたい放題ですね!私はいつも【おしとやか】ですよ!」
(笑)
「………まぁ、それは置いといて前方から船が来るわね」
ちょっと無視すんな!
でも、前方から私達と同じぐらい大きな船が近付いて来ていた。何だろう?
「前方の海賊船に告ぐ!すぐにフィリアス家の船を解放せよ!」
あ゛っ!!!?
昨日の海賊船を沈めて海賊達だけを捕縛しようしたけど、海賊船に他の民間船から略奪した物資が積んであったのだ。なので、シーサーペントと同じく海賊船も牽引して来たのよね。これだけで見たら海賊船に捕縛されているように見えるよね!
「あちゃー、勘違いさせたのね」
ひかりさんの呟きに同意したの……ええ
「何とか誤解を解かないとね。船員さんがマストの上から手旗信号送っているけど、逆光でまだ見えてないね。もうちょっと近付けばわかるでしょう」
お兄様がそう言うとミスレイン公国から近付いてくる船に視線を動かした。んっ?あれは………?
ミスレイン公国の船の前方から水しぶきが立ち上がり、こちらへ近付いてくる!
「えっ!?なにあれ???」
流石のシオンも理解出来なかった。だって、水面をもうスピードで【走って】近付いてくる人物がいたのだから。
水しぶきを上げながら近付いて来た人物は私達の船の前で大きくジャンプをして甲板に降り立った。
「海賊どもに告ぐ!大恩あるフィリアス家を解放せよ!でなければ血の雨で償うことになるぞ!!!」
凛とした上品な風格のある【女性】が、かっこよく言い放った。
「ふあぁぁ!かっこいい!!!」
目を輝かせながらシオンは見つめた。そこに、護衛として同行している土龍騎士団長のシールが何者だ!と、甲板に降り立った人物に問い掛ける。
「貴様が海賊船の船長か?少しはやるようだが、容赦はせんぞ!!!」
シールが弁解する間もなく襲い掛かってきた。
「悪・即・爆です!」
女性が、無詠唱でいきなり魔法をぶっぱなした!シールは【龍の大楯】で防ぐが少し吹き飛ばされた。
「っぐ………この威力は!?」
「なっ!?船を考慮して威力を押させたとはいえ、防ぎ切っただと!」
相手も防がれるとは思っていなかったらしく驚愕していた。
「だが、直接攻撃ならどうだ!」
剣を抜き、今度は斬りかかってきた。
「だから、人の話を聞けと………!?」
またまた、弁解する時間を与えず連続攻撃を繰り出した。
ギッン!!!
ギギン!
ガッギッーーン!!!
「反応が良いな!だが!?」
「だから人の話を聞け!!!」
シールの叫びも虚しく、激しい剣戟が飛び交う!遂にシールも防然一方から攻撃し始めた。
「このじゃじゃ馬め!!!?」
激しい斬戟を楯でいなして、楯で殴り掛かる
ガッギーーーーン!!!!
相手の剣ごと今度は逆に吹き飛ばした。
「くっ!?」
相手は受け身を取りながら着地した。そして静かに立ち上がると両刃の剣をレイピアの様に構えて、必殺技の体勢に入った。
「やるじゃないですか!しかし、海賊に殺られる訳にはいかない!フィリアス家は何としても守る!」
相手の魔力が高まっていくのがわかった。このままではヤバいよ!?私達は劇を見ている感じで、ぼーとしてしまっていたがふと我に返った。
「ストッーーーーープ!!!!」
ミスレイン公国の女性とシールの間に入り両手を広げて、待ったを掛けた。女性から魔力の高まりが四散した。
「私達、フィリアス家は無事です!逆に海賊船を捕縛して連れて来たのです!」
シオンは叫ぶように言った。
「…………へ?」
ミスレイン公国の女性は間の抜けた言葉を吐いたのだった。
愚者の声
「誤解を弁明させて下さい!」
シオン
「いいえ、聞く耳持ちません!」
愚者の声
「いやいやいや!!!せめて、機会をもうけてよ!」
シオン
「貴方の誤解は誤解ではありませんので、死刑方法ぐらいは考慮しましょう」
愚者の声
「そんなバカな!?」
シオン
「だって最終的には同じ事ですもの♪」
愚者の声
( ; ゜Д゜)…………
『よろしければ感想、評価、ブックマークよろしくお願いします!』